まだ資産運用をしたことがない
若い人たちへ
特別対談 浅田 舞 × 朝倉 智也
朝倉 浅田さんは今、まだ20代ですが、30代、40代を迎えて、子どもの教育や住宅などでお金が必要になります。さらには、60代、70代になって、十分な年金がもらえるかどうかと考えると、今の日本は、大丈夫と言えません。このような状況で資産を保全するためには、お金を増やす運用、すなわち投資が不可欠になります。
と言うと、「株を買おう」と思うかもしれませんが、浅田さんも指摘されたように、株式は値動きが激しい分、リスクも大きいのです。また、極論すれば、買った銘柄の企業が倒産してしまえば、価値がゼロになってしまうこともあります。
それに対してファンドは、複数の資産に分散して投資するため、リスクを抑えることができます。また、株式は最低投資額が数十万円ということも珍しくありません。若い人がたくさんの銘柄に分散することは容易ではないでしょう。しかし、ファンドなら、金融機関によっては500円程度から積み立てができるところもあります。年100万円までの投資が非課税になる少額投資非課税制度(NISA)もスタートしています。浅田さんもぜひ、始めてみてください。
スポーツでも投資でも
地道な積み重ねが重要
浅田 私のスマートフォンには、リアルタイムで株価をチェックできるアプリが最初から入っていたのですが、これまで見たことがありませんでした。これからは少しずつ眺めてみようと思います。
朝倉 それはいいですね。投資を始めるメリットはいろいろありますが、その一つが、経済や金融に対する知識が深まることです。毎月500円でも投資をしていると、日経平均株価や国内外の経済のニュースが気になるようになります。これらの情報を得ることで、資産を増やすだけでなく、仕事や生活の面においてもプラスになります。
ただ、注意したいのは、個々の銘柄の価格の変動に一喜一憂しないことです。資産運用のセオリーは、複数の資産への長期分散投資です。一つひとつの銘柄は上がったり下がったりしながら、5年、10年という期間で見ると、全体的には上がっていたというのが理想です。一定額をファンドで積み立てしているならば、価格を毎日チェックする必要もありません。
浅田 私はこの5年ほど、新聞やテレビでアスリートの取材をしています。フィギュアスケートだけでなく、さまざまなスポーツの選手の話を聞く機会があるのですが、どんなスポーツでも、一流の選手は毎日コツコツと練習を積み重ねています。投資の世界も同じなんですね。
今日のお話を聞いて、漠然と感じていた不安やハードルが取り払われた気がします。今日は、私一人で聞くにはとてもぜいたくなお話をありがとうございました。さっそく、御社のアプリをダウンロードしたいと思います(笑)。
朝倉 そう言っていただけるとうれしいです。投資家教育と言うとおこがましいですが、浅田さんのような若い方や投資未経験者の方への啓蒙を行うのも私たちの役割だと感じています。
浅田 また相談させていただいてもいいですか。
朝倉 もちろんですよ!