「12期連続増収」老舗コンサル、独自の立ち位置 ロジカルな意思決定の基は「経営会計」の発想

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ビジネスブレイン太田昭和 代表取締役社長の小宮一浩氏
変化の激しい現代、企業経営には状況に応じた柔軟な意思決定が求められる。ただし「勘と度胸」に頼っていては、方向性を大きく見誤るリスクが高まる。大切なのは、会計データをはじめとする事実に基づいたロジカルな意思決定だ。バックオフィスのDXを支援するビジネスブレイン太田昭和(以下、BBS)は、経営の意思決定に寄与する「経営会計」を提唱している。その真価はどこにあるのか、そして同社はどのように経営会計を実現するのか。代表取締役社長の小宮一浩氏に話を聞いた。

12期連続の増収の裏にある、独自のポジショニング

2023年10月のインボイス制度スタート、24年1月の電子取引情報保存の完全義務化など、ここ1~2年は会計の制度変更が目白押しだ。経営者や経理財務部門、情報システム部門はその対応に追われていることだろう。

これらの制度変更が厄介なのは、単にシステムを変えれば済む話ではない点だ。制度変更に伴って経理業務のプロセスも見直しが必要で、企業は「会計業務に対する深い理解」と「システム開発のノウハウ」の両方を備えた企業をパートナーにしたいところだ。

その点で心強いのはBBSだろう。同社は、EY新日本有限監査法人のルーツの一つである昭和監査法人に在籍していた山﨑甲子士(きねお)氏が1967年に設立した会社。創業以来、会計システムの導入をサポートしてきた。BBSは監査法人を原点としているがゆえに会計の専門知識を厚く持ち、さらにはシステム開発のノウハウを蓄積している。コンサルティングとSIerのちょうど中間に位置する独自のポジショニングで、業務とシステムの両方に造詣が深い。

この強みが、中堅~大手規模の日本企業を中心に広く支持されて、業績は右肩上がり。2022年3月期は売り上げ約323億円で、12期連続の増収となった。

BBSサイクルでかなえる、「経営会計」

ビジネスブレイン太田昭和 代表取締役社長の小宮一浩氏
ビジネスブレイン太田昭和 代表取締役社長
小宮 一浩

ただ、単に「会計業務に強いコンサルティングとSIer」というだけでは、いずれも競争の激しい世界で生き残ることはできない。同社が多くの企業から頼られているのは、「経営会計」の支援を掲げているからだろう。BBS代表取締役社長の小宮一浩氏は、理想の会計についてこう語る。

「税務会計や、上場企業に求められる財務会計といった制度会計への対応は、あくまでも『義務だからやらなければいけない業務』にすぎません。会計を『経営に資する、価値のある業務』にするには、意思決定に必要なデータをバックオフィス系の各部署から集め、分析、対応しなくてはなりません。こうした会計のあり方を当社は『経営会計』と呼び、お客様に提案してきました」

制度変更への対応は「守り」に位置づけられがちだが、集めたデータを経営の意思決定に生かせば、会計が「攻め」になる。システム開発を通してそのシフトを推し進めてきたからこそ、BBSは業界で確固たるポジションを築くことができたのだ。

BBSが支持される理由はほかにもある。従来行っていた会計業務コンサルティング、システム開発に加え、近年はバックオフィス業務を請け負うマネジメントサービス(BPO)事業をスタート。人手不足や働き方改革といった追い風もあってBPOへのニーズは高まっている。同社のマネジメントサービス事業も現在では売り上げの約25%を占めるまでに成長した。

ここで注目したいのは、同社はBPO単体ではなく、コンサルティングやシステム開発といったほかの事業と組み合わせて展開していることだ。

BBSサイクル

「コンサルティング事業では将来への展望を具体的に描いて提案し、システム開発事業でそれを実現していきます。さらにBPO事業でバックオフィス業務を請け負えば、『ここを改善すればもっと効率化できる』『環境が変わって問題が起きた』と新たな課題を発見することができます。課題が見つかれば、コンサルティングと共に対応策を考え、システムやマネジメントサービスで対応していく。この『BBSサイクル』を繰り返すことで、お客様は理想の会計業務に近づくことができます」

システム開発では「お客様と一緒に汗をかく」

優れた事業モデルを持ち顧客に高い価値を提供してきたBBSだが、他社が容易にまねできるものではない。同社の根底には、創業以来受け継がれてきたカルチャーがあるからだ。

BBSは「未来を切り拓く創造の心と力を持つ(創造)」「どんな時でも約束を守り、責任の持てる完全な仕事をする(責任)」「お互いに相手の身になって助け合い、心のつながりを持つ(連帯)」という社訓を掲げている。これらはただのお題目ではなく、業務に深く浸透している。

「当社のシステム開発の特徴として、お客様にも汗を流していただくことが挙げられます。すべてを当社に丸投げされてつくったシステムでは、多かれ少なかれ実際の業務と乖離が生まれてしまう。思い描く理想を形にするには、お客様と当社が一体になってプロジェクトを進める必要があると考えています」

ビジネスブレイン太田昭和代表取締役社長の小宮一浩氏

コンサルティングで描いた夢をシステムで正しく実現するのはBBSの「責任」。この責任を果たすためには、社内はもちろん顧客とも「連携」していく。まさに社訓どおりの開発スタイルだ。

もう一つの社訓「創造」はどうか。小宮社長は「今は、ハイブリッド型のイノベーションを目指している」と話す。

「業務のデジタル化やデータ活用に向けた提案は、当社が創業以来取り組んできたこと。長年蓄積してきた知見は、これから先、時代が変わっても強みになるでしょう。一方、新しい技術をキャッチアップし、随時イノベーションを起こしていかなければいけません。一足飛びに新しいことをやるのではなく、既存のノウハウをベースに新しいものを加えて新たな価値提供をしていきたい」

現在、BBSでは次世代を担うイノベーション人材を選抜して教育している。社内ベンチャーを想定したビジネスプランのプレゼンテーションなど、本格的な内容だ。イノベーション人材の育成が進めば、より創造性が高いサービスで顧客を支援していくことになりそうだ。

「サステナビリティー経営が推進され気候変動問題への対応で環境に関する計数の公開が求められるなど、今、非財務情報の公開の重要性が増しています。ほかにも経営の意思決定に必要なデータは増えていく一方。経営環境の変化に対応するには、それらの数字を迅速に集めて意思決定することが欠かせません。私たちは総合バックオフィスサポーターとして、日本企業のあらゆるニーズに応え、泥くさく支援していく決意です」

ユニークなポジショニングと事業モデル、そしてそれを支えるカルチャー。BBSはこれからも、独自の強みと「経営会計」の理念を基に、多くの企業を支援していく。

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