各地域が個性を発揮し、
地域主導の成長戦略を実現してほしい

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また地方には地方ならではのポテンシャルがあります。たとえば、農業や観光業などです。このほか、建設業、医療・福祉、その他のサービス業も、また誘致した企業も含め、各地域に固有の地域資源があります。企業で言えば「グローバルニッチ」と表現できる、これらの各地域の強みを生かせば、世界のマーケットに打って出ることも夢ではありません。

地方自治体が「選ばれる」時代になると言われていますが、逆に言えば、どの自治体にもチャンスがあるのです。

リーダーシップを発揮し、
地域主導の成長戦略へ

―チャンスを生かし、企業や消費者に「選ばれる」自治体になるには、どんなことが必要だと考えられますか。

鈴木 企業誘致であれば、土地が安い、水などの資源がある、労働力が確保できるといったことはもちろん、その地において5年、10年、さらにそれ以上の期間、企業活動をし、発展したいと考えてもらえる環境づくりが大切です。

そのためには、進出時だけでなく、進出後も、その企業をフォローする仕組みが必要です。地元の大学や金融機関とも連携し、ともに成長できる仕組みをつくりたいところです。実際の事例を見ると、企業誘致を担当する部門だけでなく、さまざまな部門や関係機関がワンストップで支援し、サポートしようとする自治体が、企業に選ばれるとともに、進出した企業も地元の優良企業に育っています。
また、市長など自治体の首長のリーダーシップが不可欠です。首長が迅速に意志決定をし、コミットメントできなければ、国内はもとより、海外の自治体と競うことはできません。政府も地方創生を進めています。首長が率先して、「わが町の個性は何か」と考え、地域主導の成長戦略を描き、実現してほしいと願っています。

当法人は1962年に設立され、地域開発のための企業誘致施策などに協力してきました。最近では、地域産業と大学との連携やビジネスインキュベーションなどを通じて、新事業創出の支援にも力を入れています。企業と地域が力を合わせることで、日本企業ならでは、日本の地域ならではの競争力が発揮できると期待しています。当法人も引き続き、その実現のために貢献したいと考えています。