近年は、割り勘が当たり前になってきていると言われながらも、結婚相談所におけるお見合いでは、お茶代は男性が支払うものというのが、暗黙の了解事項だ。
以前、会員のよりこ(41歳、仮名)が、ホテルのティーラウンジでのお見合いを終えて、つねお(47歳、仮名)とレジに向っていたときに、彼が言った。
「仲人から、『お茶代は男性が払うように』と言われているんですけど、まだ付き合うかどうかわからないのに、男性が払うというおは、おかしなルールですよね」
お見合いのときから、この男性はお断りしようと思っていたのだが、その言葉を聞いて、絶対にこの男性との交際はナシと強く思ったそうだ。そして言った。
「男性が払うルールはないと思いますよ。私のお茶代はお支払いします」
やっぱり払える男がカッコいい?
お財布から1500円を出して渡すと、つねおはそれを受け取り、支払いを済ませてラウンジを出ると、別れ際、よりこに言った。
「今日はありがとうございました。今度食事にでも行きましょう」
これから2人が付き合うことを前提にした言葉だった。そして、その言葉どおり、つねおからは交際希望が来た。もちろんよりこは、交際辞退。その連絡を入れてきたときに、憤慨した口調で私に言った。
「たとえお見合いした女性にお断りを出すにしても、お見合いのお茶代は男が払ったほうが株が上がると思います。ホテルのコーヒー代1500円は確かに高いけれど、それが出せないケチな男性とは、お付き合いしたくありません」
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