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TOP INTERVIEW
國學院ブランドの確立と強化を

「学生リアル調査」についての評価をお聞かせください。

國學院大學学長
赤井 益久

赤井 学生リアル調査は、本学の若手職員を主体とするプロジェクトチームが中心となって実現しました。学生全体の半数近い5000人が回答したことには感心しました。授業時間に強制的に回答させるような形式は採りませんでしたから。これは、本学の学生が常に主体的に物事を考えていることの表れなのだと思います。学生の答えに関しては、なるほどと思うこともありましたし、我々の期待と学生の思いにギャップがあることもわかりました。まずは、そういう認識ができたことが本学にとって前進だと考えています。調査結果を生かし、時間をかけて解決していかなければならないこともあるでしょう。まだまだ改革の道半ばですが、これから成果が出てくると思います。

― 競争が厳しい時代には、大学も個性が求められますが、その点についてどうお考えですか。

赤井 まさにその通りで、大学が競争力をつけるには、個性を磨くしかないと思います。私は4年前に学長に就任して以来、國學院大學ブランドの確立と強化ということを言い続けてきました。そのために伝統文化を体験的に学ぶ國學院科目を設けましたし、国語教育にも力を入れてきました。

― 國學院大學のように、神道を基盤にした大学は全国でも2校しかないそうですね。

赤井 本学は、日本文化の研究・究明と、人間の徳を涵養してその人が持って生まれた個性を発揮できるようにすることを建学の精神としています。また同時に「伝統と創造」、「個性と共生」、「地域性と国際性」の調和の三つの慮(おも)いをミッションとしています。いずれも神道精神にのっとった考え方です。

― 130年以上の歴史ある大学ですが、グローバル化にはどう対応されますか。

赤井 大学とは本来、グローバルな存在であると私は考えています。学問に国境はありませんから。そのうえで、本学の先達は建学のころ「欧米一辺倒が文明化ではない。自分たちの足元を見直し、拠って立つ基盤を明らかにすべきである。そうでなければ相対峙する文明や文化の真の価値や意味は理解できない」と喝破しました。この主張は今も有効だと思います。グローバルな時代だからこそ日本文化をきちんと理解し、それを伝えていく必要があります。2020年には海外からの観光客が2000万人に達すると言われています。日本を訪れた方から神道とは何か、歌舞伎とはと聞かれた時に、英語で日本文化をきちんと紹介できる、そういう人間が社会の中核を占めないと、どんなにグローバル化しても、自分はいったい何人なのかということになりかねません。だから本学は独自のグローバル化を目指します。國學院大學の拠って立つべき場所もそこにあると思います。