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5000人の回答で裏付けられた
学生の主体性

調査での設問は全部で37。パソコンやスマートフォンで記入する形式だが、まじめに答えようとすれば相当な時間がかかる。

決して負担の軽くないアンケートだが、プロジェクトチームは回収目標を5000人に設定した。國學院大學の学生数は約1万人。その半数から回答を得ようというのだ。一人でも多くの学生の声を聞きたいと考えて職員たちはあえて高いハードルを設定したのだった。

学生の声
「もともと職員の方と触れ合う機会が多かったこともあるのですが、学生に寄り添っているな、と思う質問が多かったです。それだけに、調査結果をどこまで反映してもらえるのか楽しみです」と福沢さん(3年・国府台女子学院高等部出身)

回答期間中は教員、職員、有志の学生による全学的なキャンペーン活動を展開。結果、約2週間で目標値を超える回答を得た。

「國學院の学生は、まじめで誠実というのが定評です。この結果は、日頃から常に問題意識を持って主体的に大学生活を送っている学生が多いことの証明。そういう校風がこんなところにも表れた」ある職員はそう言って胸を張った。

こうして実施された「学生リアル調査」の回答は集計・分析され公表された。結果の一部は学内に掲示され、大学のホームページでは、結果のすべてを見ることができる。例えば窓口の対応については約35%が「大変満足」「おおむね満足」と答えたが「全く満足していない」「あまり満足していない」という答えも26%に達した。賛否の否の部分も包み隠さず発表したのは、大学側の変革への覚悟の表れだろう。

長期的な視点と
問われる改革のスピード感

学生の声
「回答数の目標を聞いた時は、5000 人なんて無理だと思っていました。でも気づいたらあっという間に達成していましたね。それだけ学生みんな、大学への要望はもちろん、大学との接点を求めていたんだと思います」と秦さん(3年・釧路江南高校出身)

では、この調査や結果について学生はどう受け止めているのか。

「教職課程のガイダンスや個別相談などで職員の方にはいろいろお世話になっています。やさしい方、面倒見のいい方が多い印象を受けていますが、今回の調査でもっと私たち学生の声が伝えられたなという実感があります」(文学部日本文学科3年生)

「職員の方がこんなに熱く真摯に活動しているとは知りませんでした。学生のことを真剣に考えているのだと感じ、調査には積極的に協力しました。学生の声がどこまで反映されるのか、これからに期待しています」(経済学部経済学科3年生)

と、学生は好意的な評価をしている。一方、保護者はどうか。次男が3年生に在籍している髙島佳代子さんは、次のように語る。

保護者の声
「学生の声にちゃんと耳を傾ける取り組みは、素晴らしいことだと思います。自分が学生だった時と比べて、すごくうらやましいなと感じます。保護者として気になる就職支援も充実しているそうなので、これからも期待していきたいです」と髙島さん

「学生が何を求めているのか、大学側が知ろうとするのは素晴らしいことだと思います。一方でこれほど多くの学生が回答したことにも驚きました。やはり國學院の学生はまじめなのですね。大学は今回の調査結果を生かして、学修活動や就職活動で一歩踏み出せないでいる学生の後押しをするような施策を実施してほしいです。例えば留学などは、学生時代でなければなかなか行けるチャンスはありませんから、もちろん費用や単位の事情もあるのでしょうが、もっとたくさんの学生が海外に目を向けたくなるようなサポート体制を強化してほしいですね」

学生も指摘しているように、これからは学生の声がどう反映されるかが重要だ。言いっぱなし、聞きっぱなしで終わっては何の意味もない。大学側も重々承知のようで、すでに一部では改善策なども実施し、スピード感のある対応を目指している。長期的な視点で取り組むべき点についても学内で精査しているところだという。

あくまでも教育の一環のため、学生に迎合してすべての意見を受け入れるわけではない。伝統的な校風など変えてはいけない部分、変える必要のない部分も多い。ただ、時代の変化に応じ、大学も変わっていかなければならないことは、誰しもが認めるところのはず。國學院大學は今回の調査でその覚悟を内外に示した。

これからも國學院大學の取り組みに期待したい。

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