不正がやまない三菱電機、改革の道遠く 企業風土の根深い弊害

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「ものが言えない風土」を調査委が改めて指摘。全社改革に社員らからは懸念も。

三菱電機の元社員は「パワハラ以外のマネジメント方法を知らないと自嘲する幹部までいた」と証言する(撮影:今井康一)

問題発覚からおよそ半年。社内改革の成果はいまだ見えてこない。

三菱電機の外部調査委員会は2021年12月23日、品質不正問題について2回目の調査報告をした。5工場で新たに29件の不正を認定。一部の工場では、全社で不正撲滅への改革が始まった後も、虚偽の試験成績書を作るなどの不正を続けていたことが判明した。

この日、「ガバナンスレビュー委員会」も報告書を公開した。経営陣に善管注意義務違反などの法的責任は認められないとしつつも、全社点検をした16年以降に不正をあぶり出せなかった責任があるとした。報告を受けて同社は、漆間啓社長を含む新旧役員12人に報酬減額(元職には自主返納要請)の処分を下した。

調査委が不正の背景として改めて問題視したのが、「ものが言えない風土」だ。漆間社長は21年10月に東洋経済が実施した取材で「上司が部下を受け入れる姿勢を持っていない」と述べ、上層部から意識変革を促す考えを強調していた。

ただ調査委が全社員に実施したアンケートでは、社員が調査委に直接提出するはずなのに、上司が事前の確認を求めるという事態が複数の拠点で起きていた。

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