日本政府SDGs推進円卓会議構成員をはじめ、数多くのSDGs関連プロジェクトで委員を務める慶応大学大学院の蟹江憲史教授。第一人者に日本のSDGsの取り組みの現状を聞いた。
──日本企業のSDGsの取り組みをどう見ていますか。
例えば「SBT(Science Based Targets)」と呼ばれる、温室効果ガス削減に関する科学に基づいた目標設定や、自社で使う電力のすべてを再生可能エネルギーで賄うことを目指す「RE100」に取り組んでいる企業は多い。そういう意味では、意識は高まってきている。中小企業ではSDGsに絡めて取引先やマーケットを広げていくというメリットを見いだしているところもあると聞く。
一方で、何となくSDGsに貢献しているように見せて、よい企業だという雰囲気をつくろう、というところがまだ多い印象だ。
──企業がSDGsに取り組むうえでのポイントは。
まずは目標を作ることが大事だ。2030年にありたい姿は何か、それがSDGsにどう貢献することになるのかを明確に定め、そこから考えていくことが必要。これができている企業は意外と少ない。30年に目標を達成するつもりで取り組まないと、後が大変になる。
まだまだ本気度が足りないのではないかと思う。きちんとした目標があれば、「30年までにはこういうことをする、これからやるところだ」という言い訳もできるので、ロードマップを示すべきだ。
──SDGsを推進するために企業に足りないものは何ですか。
本気でやろうと思ったら会社の体質や仕組み、社員の意識を大きく変えなければいけない。例えば製造業であれば製造プロセスや調達先の見直しが必須。トップダウンでの意思決定が重要になる。
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