コロナ禍では日本企業のデジタル化の遅れが表面化した。そんな中、2020年9月に誕生した菅義偉政権は「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を看板政策の1つに掲げている。顕著なのが「脱ハンコ」だ。政府からテレワークの要請が出されたものの、企業では書類に押印するためだけに出社を余儀なくされる社員が続出し、問題視されたためだ。
政府は20年7月の「骨太方針2020」で、行政や企業向け制度について書面・押印・対面主義から脱却し、原則デジタルで完結できるようにすると掲げた。河野太郎行政改革担当相も就任後「ハンコをすぐになくしたい」と表明、省庁内手続きを変え始めている。
9月には政府がネット上のクラウド経由での電子署名に法的効力を認める見解を公表。取引先との契約締結時に必要な押印や署名手続きをオンラインに切り替えるニーズが急速に高まりつつある。
とくに注目を集めるのが電子契約サービスだ。シェア1位は、弁護士ドットコムが運営するクラウドサイン。「紙とハンコ」をクラウドに置き換えウェブだけで契約締結まで完了でき、印紙税も不要。契約書だけでなく発注書や納品書、請求書、領収書などさまざまな対外的やり取りに利用できる。
クラウドサインの導入社数は20年9月末時点で10.7万社に上り、1年で1.8倍以上に拡大した。20年はトヨタ自動車やサントリーホールディングスなど、紙の処理工数が多い大企業での導入が進んだ。導入社数に加え、1社当たりの利用件数も増加する。
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