コロナ禍はベンチャー業界にも少なからぬ影響を与えた。とくに観光や外食などリアル領域が主戦場の企業は打撃を受け、業態転換を迫られるところもあった。
一方、テレワークの普及により、企業のデジタル化を支援する法人向けSaaS(クラウド型ソフトの定額課金サービス)のベンチャーは躍進した。テレワークを円滑に行うには、社外からもアクセスできるクラウドサービスが不可欠。経理や人事労務など間接部門だけでなく、EC(ネット通販)や顧客管理など営業部門まで、SaaSへのニーズは広がる。
法人向けSaaSで急成長したのは2019年12月上場のfreee(フリー)。会計・人事労務など事務管理の効率化ツールを提供する。個人事業主や中小企業を中心に利用者拡大が続き、株価は上場後1年で3倍超に急騰した。
会計・経費精算の領域では、大企業に比べ導入が遅い中小企業のクラウド化が今後急速に進むとみられる。業界内シェアの高いマネーフォワード(17年上場)や、フリーの業績拡大は続くだろう。また、20年10月に施行された改正電子帳簿保存法では、電子取引のデータ保存の要件が緩和された。こうした追い風もあり、類似業態の上場・未上場ベンチャーにも注目が集まる。

海外投資家が熱視線
日本がSaaSの一大市場に成長したことで、昨今は海外のベンチャーキャピタル(VC)からも、インドや中国に続く投資先として熱視線が注がれるようになった。
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