有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #「バイデン政権」を待つ試練

バイデン不況は起きないが対中脅威論は変わらない 混迷する米国 有識者に聞く④ みずほ総合研究所 小野 亮

3分で読める 会員登録で読める
  • 中村 稔 東洋経済 編集委員
みずほ総合研究所 理事・フェロー 小野 亮
おの・まこと 1990年東京大学工学部卒業、富士総合研究所(2002年からみずほ総合研究所)入社。ニューヨーク事務所、経済調査部を経て市場調査部で米国経済・金融政策担当の主席エコノミスト。20年から現職。欧米総括。(撮影:風間仁一郎)
どんな経済政策をバイデン政権は打ち出すのか。日米の景気や金融政策の見通しを含め、みずほ総合研究所で理事・フェローを務める小野亮氏の分析である。

今回は米国内の「分断」が非常に深いことがよくわかる選挙となった。この4年間のトランプ政権に対する批判的意見や変革を求める願いが強く出ていた気がする。一方でトランプ支持者の再選願望も強く、双方の深い溝が改めて明らかになった。

民意の変化は連邦議会にも表れており、近年の議会の立法件数は過去最少の状況にある。党派対立が加速し、「決められない議会」になっている。

トランプ氏の主張する「バイデン不況」の背景には、個人・企業に対する増税案がある。増減税のネットで10年間に2.4兆ドル規模の増税というのがバイデン氏の案だが、中身を見ると、中・低所得層には減税を行い、増税のほとんどは年収40万ドル(約4200万円)以上の富裕層に求める。

これがすべて認められても、富裕層はさほど痛くない。富裕層増税案が景気に与える影響は無視できるほど小さく、所得再配分だけをうまく実現する。インフラ投資や住宅支援などの歳出拡大策も盛り込まれており、むしろ景気を押し上げていく。「ねじれ議会」の下でも、新たなコロナ対策法を含む歳出増によって、実質GDP(国内総生産)成長率は2021、22年ともに1%ポイント前後ずつ押し上げられるとみる。「バイデン不況」という指摘は当たらない。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数