今回は米国内の「分断」が非常に深いことがよくわかる選挙となった。この4年間のトランプ政権に対する批判的意見や変革を求める願いが強く出ていた気がする。一方でトランプ支持者の再選願望も強く、双方の深い溝が改めて明らかになった。
民意の変化は連邦議会にも表れており、近年の議会の立法件数は過去最少の状況にある。党派対立が加速し、「決められない議会」になっている。
トランプ氏の主張する「バイデン不況」の背景には、個人・企業に対する増税案がある。増減税のネットで10年間に2.4兆ドル規模の増税というのがバイデン氏の案だが、中身を見ると、中・低所得層には減税を行い、増税のほとんどは年収40万ドル(約4200万円)以上の富裕層に求める。
これがすべて認められても、富裕層はさほど痛くない。富裕層増税案が景気に与える影響は無視できるほど小さく、所得再配分だけをうまく実現する。インフラ投資や住宅支援などの歳出拡大策も盛り込まれており、むしろ景気を押し上げていく。「ねじれ議会」の下でも、新たなコロナ対策法を含む歳出増によって、実質GDP(国内総生産)成長率は2021、22年ともに1%ポイント前後ずつ押し上げられるとみる。「バイデン不況」という指摘は当たらない。
この記事は会員限定です
残り 704文字
