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『ワイズカンパニー 知識創造から知識実践への新しいモデル』 知識創造から「知恵」へ、人間中心経営への進化

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  • 堀内 勉 多摩大学社会的投資研究所教授・副所長、HONZ
ワイズカンパニー 知識創造から知識実践への新しいモデル(野中郁次郎、竹内弘高 著/黒輪篤嗣 訳/東洋経済新報社/3000円+税/521ページ)書影をクリックするとamazonのサイトにジャンプします。
[Profile] のなか・いくじろう 1935年東京生まれ。一橋大学名誉教授。ナレッジマネジメントの第一人者。
たけうち・ひろたか 1946年東京生まれ。米ハーバード大学経営大学院教授、一橋大学名誉教授。

本書は、経営学者の野中郁次郎と竹内弘高による世界的ベストセラー『知識創造企業』の四半世紀ぶりの続編である。ナレッジマネジメント分野では最も重要な文献の1つとされるこの前著では、新しい組織的知識がSECI(セキ)(共同化 Socialization、表出化 Externalization、連結化 Combination、内面化 Internalization)のプロセスを通じていかに創造されるかが示され、単なる情報やデータと「知識」との違いが論じられている。

そして今回の『ワイズカンパニー』では、変化の激しい世界に対処するために、さらに高次の暗黙知である「知恵」の重要性が説かれている。その中心にあるのが、古代ギリシアのアリストテレスの「フロネシス」(実践知)という概念である。

本書は、実践知が組織経営上で果たす役割に注目し、企業が知識の実践をどう行うべきなのかを説明している。

西洋では、経営における知識観は、「われ思う、故にわれあり」というデカルト的な主観と客観、心と体、精神と物質という二元論に支配されてきた。これに対して日本では、抽象的で客観的な理念よりも、直接的、個人的な体験に重きが置かれてきた。

こうした文脈の中で、野中と竹内の知識創造理論は、人間と自然は1つである(主客一体)、体と心は1つである(心身一如)、自己と他者は1つである(自他統一)という日本の知的伝統、とくに西田幾多郎の哲学に基づくものと受け止められてきた。しかし西洋でも、知識を実践する段階では二項対立の図式はなく、この点で、東西の文化には多くの共通点が見いだせるのだという。

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