コロナ禍の中、徐々に復活への道のりを歩み始めたクラシック界だが、年末の風物詩『第九』はどうなるのだろうか。オーケストラに加えて200名にも及ぶ合唱団がステージに登場するベートーヴェンの『交響曲第9番』(合唱付き)、通称『第九』は、通常は年末だけで150公演以上が開催されるクラシック界きっての人気プログラムだ。ベートーヴェンの生誕250年を祝うメモリアルイヤーの今年は、例年以上の盛り上がりが期待されていた。
起源は年越し費用の捻出
実は、年末の『第九』は、オーケストラの年越し費用を稼ぐため生まれたとされる日本特有のイベントだ。今年は、“密”の極みとなる合唱団をどう扱うかが大きな課題となるが、感染対策に工夫を凝らしての実現に期待したい。
そんな中で最近登場したのが、フリードリヒ・カルクブレンナー編曲版『第九』の世界初録音だ。フランス在住のピアニスト広瀬悦子のピアノに、4人のソリストと合唱団を加えたこの録音では、オーケストラの演奏とは一味違う面白さが味わえる。
ピアノによる『第九』といえばフランツ・リストのピアノ編曲版が有名だ。クラシック史上屈指の作曲家兼ピアニストとうたわれるリストは、ベートーヴェンの交響曲全9曲をソロピアノ用に編曲したほか、『第九』については2台ピアノ用の編曲まで行った。
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