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コロナ禍に光を注ぐ 世界一の弦楽四重奏団

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  • 田中 泰 日本クラシックソムリエ協会 代表理事
ボイジャーから送られてきた宇宙の映像をバックに演奏するクロノス・クァルテット(©Wojciech Wandzel)

「最も古く伝統的な形態である弦楽四重奏団でありながら、彼らはロックグループなのだ。驚くべきことを彼らは成し遂げている」(スティーヴ・ライヒ)、「世の中には2つの弦楽四重奏曲が存在する。1つはクロノス前であり、もう1つはクロノス後だ」(フィリップ・グラス)。これらは、現代を代表する作曲家のライヒとグラスが「クロノス・クァルテット」について語った言葉だ。

1973年に米サンフランシスコで結成されたこの四重奏団は、20世紀の作品をレパートリーの中心としながら、さまざまなジャンルのアーティストとコラボレーションを展開。世界で最も有名で影響力のあるアンサンブルとして知られる。この秋予定されていた17年ぶりの来日公演は、コロナ禍の影響であえなく中止となり、日本のファンを落胆させた。

ところが、これを惜しんだ神奈川県立音楽堂スタッフの熱意と努力が実を結ぶ。日本初演が予定されていた『サン・リングズ』の一部を映像で披露する“来日中止代替企画”の実現に至ったのだ。

宇宙映像をバックに演奏

この曲は、77年に打ち上げられた米国の宇宙探査機・ボイジャーの25周年を記念して、NASA(米航空宇宙局)が米国の作曲家、テリー・ライリーに制作を依頼したものだ。ボイジャーから送られてきた宇宙の映像を映し出して背景とし、宇宙の電波にインスパイアされたエレクトロニクス音響と弦楽四重奏に合唱までもが加わる大がかりな作品だ。今回は、全10楽章の中からとくに平和への祈りが色濃く反映された3つの楽章がピックアップされ、クロノス・クァルテットと日本の合唱団「やえ山組」がそれぞれ別に収録した映像を合体させて作り上げるスペシャルセッションが披露される。

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