世界最大級のカジノ都市であるマカオの経済が、新型コロナウイルスに直撃された。マカオ政府が6月1日に発表したデータによれば、5月のカジノ収入は17億6400万パタカ(約238億円)と前年同月比93.2%も減少。その2日前に発表されたマカオの1〜3月期の域内総生産(GDP)は、前年同期比48.7%減の565億パタカ(約7628億円)と四半期ベースで過去最大の落ち込みを記録した。
マカオ政府は2月5日から19日まで域内の全カジノを閉鎖した後、社会的距離確保などの防疫対策をしたうえで2月20日から部分再開を許可した。しかし3月後半、域外からの訪問客に新型コロナの感染例が見つかり、より厳しい水際対策を取らざるをえなくなった。
その結果、4月のカジノ収入は7億5400万パタカ(約102億円)と前年同月比96.8%も減少。4月と5月の2カ月連続でカジノ収入が9割以上落ち込んだことにより、カジノ運営会社は軒並み赤字だ。
マカオでは4月9日以降、50日以上連続で新型コロナの感染例が確認されていない。5月からは学校の授業も順次再開された。米国の金融サービス会社のジェフリーズは5月下旬に発表した調査リポートで、マカオ政府が訪問客の入境制限を緩和する条件が整いつつあり、カジノ運営会社の業績は近い将来、底を打つと予想した。
(財新 駐香港記者:劉雁菲、原文の配信は6月1日)
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