米国のEV(電気自動車)大手のテスラが、中国籍の元社員が技術を盗んだとしてカリフォルニア州で提訴。中国の新興EVメーカー「小鵬汽車」に対して自動運転システムのソースコード(プログラムの設計図)の開示を求めている。
小鵬汽車によれば、同社は訴訟の当事者ではないにもかかわらずテスラの調査に協力してきた。ところがテスラ側が「理不尽」な要求を突きつけてきたため、3月末に米国の裁判所に異議を申し立てた。
技術窃盗の疑いがかけられているのは、2019年1月にテスラを辞めて小鵬汽車に移籍した曹光植氏だ。小鵬汽車は自社の自動運転システムに不可欠な画像センシング技術の開発チームの責任者として、曹氏に白羽の矢を立てた。
テスラは19年3月に曹氏を提訴。同社の主張によれば、曹氏は在職中にテスラのEVのファームウェア、自動運転システム、ニューラルネットワークに関するソースコードを複製。小鵬汽車に転職した後もテスラのソースコード・ファイルにアクセスしていたという。
これに対して曹氏は、テスラのソースコードを個人のストレージにバックアップした事実は認めたが、リモートワークの利便性のために多くのテスラ社員が行っていた習慣だったと主張。テスラの企業秘密を小鵬汽車に引き渡したことはないと疑惑を全面否定している。
(財新記者:劉雨錕、原文は4月25日配信)
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