「ウチの生産拠点がある県の工業出荷額の推移を見て愕然とした。15年前は電機もそれなりにあったけど、今は自動車が大半だ。ウチに何かあったら地域経済はどうなるのか。われわれは地元に対する責任を負っているけど、豊田(章男)社長はそれが日本になるんだからたいへんなプレッシャーだよ」。昨年末、国内自動車メーカーのトップはそう口にしていた。
自動車の国内生産台数は長年1000万台前後で推移しており、直近の輸出比率は約50%だ。少子高齢化やシェアリングによって、国内販売は減ることはあっても増えることはない。輸出が落ち込むと、現在の国内の生産規模を維持することは難しい。この構図は鉄鋼業界と同じだ。

消えない「トランプリスク」
貿易摩擦を背景に、1990年代前半まで日本からの対米輸出には自主規制という枠がはめられていた。その後は円高や人件費など主に経済的な側面が輸出の制約だった。
しかし、トランプ政権になって露骨な保護主義が台頭。メキシコやカナダでの生産でも「米国生産」と認められる条件も厳しくなっている。昨年浮上した日本への対米輸出規制案は、いったんは収まったものの、いつ再燃してもおかしくない。
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