オーストリア南東部にあるグラーツ。ここにカナダのマグナ・インターナショナル子会社マグナ・シュタイヤー(MS)の完成車工場がある。マグナは自動車部品メーカーでありながら、MSを通じて幅広いブランドの完成車製造を受託している。グラーツ工場は1906年から現在まで29車種、350万台以上の生産実績を誇る。
70年以上の歴史を持つ建物内には、最新鋭の製造設備がずらりと並ぶ。製造ラインを流れてきたのは、英ジャガー・ランドローバーの電気自動車(EV)「I-PACE」。兄弟車でエンジン車の「E-PACE」が続く。パワートレインの組み込み地点で、I-PACEには電池やモーターを含む電動ユニットが、E-PACEにはエンジンが取り付けられていく。
完成車メーカーを含めて、1つのラインでのEVとエンジン車の混流生産はまだ少ないという。このラインは部品のユニット化や迂回ラインの工夫でEV、エンジン車を合わせ1時間に18台の生産が可能。製造担当者は「長年の経験からEVの混流生産を実現できた」と胸を張る。
スープラも製造
トヨタが17年ぶりに復活させたスポーツカー「スープラ」と、その兄弟車に当たる独BMWの「Z4」もグラーツ工場で製造されている。スープラを共同開発したBMWの複数車種を製造した実績に加え、「少量生産の非常に凝ったスポーツカーを高品質で造る能力が高い」(スープラ開発責任者の多田哲哉主査)とトヨタが評価した。トヨタがグループ会社や協業先以外にトヨタ車の製造を委託するのは初めてのことだ。
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