わだ・よういち●1984年野村証券入社。2003〜13年スクウェア・エニックス社長。現在メタップスなどの取締役を務める。(撮影:梅谷秀司)
グーグルの「Stadia(スタディア)」発表の5年前から、クラウドゲームのプラットフォーム作りを構想していたのが、スクウェア・エニックス子会社のシンラ・テクノロジーだ。だが親会社との方向性の違いなどから、サービス開始前に解散。当時シンラの社長だった和田洋一氏は、別の形で、もう一度クラウドゲームの立ち上げに挑もうとしている。
──なぜ、クラウドゲームの啓発に力を入れているのですか。
クラウドゲームが成立するためには、大容量データをリアルタイムで相互にやり取りできる5Gが決定的に重要だ。過去に誰も商業的に成功していないのは、5Gのパーツが埋まらなかったから。ようやく環境が整った今、ゼロからのクラウドゲーム向けソフト開発が始まっていく。大手・中小で優位性に差のない、「ガラガラポン」の戦いになるだろう。
そこで私は、所属や利害関係に関係なく、やりたい人が参加できるコンソーシアムをつくりたい。
クラウドゲームに本気な企業はまだない
──ゲーム各社の経営陣はこぞって、クラウドゲーム対応の重要性を唱えています。あえて組織横断的な団体をつくる意味とは?
私が知る限り、ソフトメーカーで真剣に取り組んでいるところはまだない。大企業にいる開発者から、「(クラウドゲームを)やりたいが、予算が通らない」という話もよく聞く。組織内で孤独な彼らが横でつながれば、及び腰な企業へのレジスタンス(抵抗勢力)になる。
加えて、クラウドゲーム市場が立ち上がるには、ゲーム企業とソーシャルメディア系のIT企業が連携することが重要となる。そこで必要なのが、開かれた組織だ。
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