かつて20代から30代の独身者が主要顧客で、「ヤンキーのたまり場」と化した店舗もあったドン・キホーテ。1990年代末から2000年代初頭にかけては出店に反対する住民運動が相次ぎ、「ドンキが来ると地価が下がる」とさえ言われた。
ところが、07年にスーパーマーケットチェーンの長崎屋を買収し、生鮮食品を強化したことを機に、多くの主婦が訪れるようになった。客層の変化に加え、もともと集客力があることもあり、現在は街を活性化する起爆剤として期待されるケースが増えている。
自治体に請われて出店した事例の先駆けになったのは、11年4月に開業したドン・キホーテ柳ヶ瀬店(岐阜県岐阜市)だ。ヒット曲「柳ヶ瀬ブルース」の舞台として有名な繁華街だが、00年代後半に名古屋鉄道の商業施設などが撤退して中心部が空洞化した。その事態を深刻に受け止めた地元政治家が動き、出店に至った。
自治体公募で出店決定 広域客を呼ぶ看板替え
19年1月に開店したMEGAドン・キホーテ甲府店(山梨県甲府市)は、市の公募で出店が決まった店舗だ。
甲府市は卸売市場に隣接する市有地を有効活用するために、約8800平方メートルの土地を民間業者に月額159万円で20年間貸し付けることにした。17年5月に募集すると、食品量販店や自動車ディーラーなど県内外の7社から応募があり、集客力や地元住民の雇用増への期待などが考慮され、ドンキへの貸し付けが決まった。
イメージが変わったとはいえ、地元住民にはまだ、「不良のたまり場になるのでは」との懸念があった。そこでドンキは甲府店の営業時間を午前2時までとし、閉店後は駐車場を封鎖することとした。また店内照明を明るくし、防犯カメラの設置や警備員の配置も徹底した。開業後は、若い家族連れなど幅広い層の顧客でにぎわいを見せている。住民からの苦情は出ていない。
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