近年、アルゴリズム取引を行う投資家の存在感が強まり、相場の乱高下が頻発しやすくなったという指摘が増えている。これはシステムトレードなどの名称で普及してきた運用手法の1つだ。あらかじめルール化された投資方針に沿った売買を自動的に行い、投資家の意思決定の支援ツールとして活用されてきた。
最近は、プログラミング言語やファイナンス理論の発展とともに、AI(人工知能)のアプローチも取り込み、資産運用業界で急成長している。例えば、東京証券取引所の1日の株式取引量のうち、約7割をアルゴリズム取引が占有しているとの分析もある。
金融取引の自動化には、アルゴリズムが不安定化すると不測の値動きを誘発しやすいというマイナス面があらわになる。特に最近の市場急変動には、相場のトレンドを探知し、一方向への売買を繰り返す「トレンド順張りプログラム」の影響が目立つ。こうした取引は、CTA(商品投資顧問)やリスクパリティー・ファンドと呼ばれる集団が主導することが多い。
年末年始の株安や円急騰をあおった
CTAは株式や為替の先物市場で順張りトレードを行い、その規模は約35兆円に上る。リスクパリティー・ファンドも広範囲の資産を運用しており、その規模は約75兆円と推定される。同ファンドは、ボラティリティーが上昇、価格が下落した資産を売却する一方、ボラティリティーが低下し、価格が上昇した資産を買い上げるため、事後的に相場のトレンドに順張りしやすい。またCTAとリスクパリティー・ファンドは、使用するプログラムが酷似している。相場が特定の価格帯やボラティリティーに到達すると、アルゴリズムが一斉に作動し、連鎖的な売買が集中発生する。これで需給が歪み、相場のトレンドがいずれか一方向に傾きやすくなっているのだ。
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