「主戦場はリアルの住空間 10億人の利用者が強み」
家電などの売り切りモデルから脱皮し、継続的な機能刷新により収益を得る事業への転換を図るパナソニック。それを実現する製品の一つが、10月末に発表した「ホームX」だ。さまざまなメーカーの家電や住宅設備をネットにつなぎ、ソフトウエアのアップデートにより機能を刷新する、いわば「家のOS(基本ソフト)」となる。独SAP出身の馬場渉氏は米シリコンバレーの拠点で開発の指揮を執る。
──GAFAがホーム領域での取り組みを強化しています。
彼らとの競合を気にする以前に、自分たちのできることをまずやるべき。人間の暮らし全体において、GAFAが覇権を握るサイバー空間での行為はごく一部だ。主戦場は、当社の本業で、残りの暮らしの大部分を占める、家や職場といったリアル空間だ。
その点、当社には100年の歴史の中で暮らしに根付かせてきた製品がたくさんある。たとえば、現在の住宅で一般的な「1部屋・2明かり・3コンセント」のフォーマットを作ったのは当社だ。玄関のインターフォンや分電盤、空調機器などでも高いシェアを持つ。
単純計算で、世界で毎日10億人がパナソニックの製品に触れている。これらの製品群を、ネットでつないで、従量課金モデルに刷新すれば、巨大プラットフォーマーになれるはずだ。
アマゾンやグーグルは「大事な他人」
──将来的にもGAFAとの競合は気にしなくていい?
他人が儲かれば自分も儲かるというのがプラットフォームビジネス。その文脈でいうと、アマゾンやグーグルは「大事な他人」に当たる。当社の製品には、すでにグーグルやアマゾンのOSを採用しているものがある。音声入力技術などを導入するとき、自社でやるよりすでに覇権を握る彼らのものを使いこなしたほうが合理的だ。
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