日本の宗教団体は非常に特異な形で発展を遂げてきた。鎌倉時代に伝統仏教の開祖が軒並み権力者から弾圧を受けたのを皮切りに、豊臣、徳川によるキリスト教の弾圧、明治時代の排仏棄釈、戦前はキリスト教や新宗教にも強い弾圧があった。つまり戦後まで、日本には本当の意味での信教の自由はなかったと思う。
日本国憲法では信教の自由、政教分離がうたわれ、個人の人権や自由が最も重視されるようになった。その理念が宗教法人法にも反映されている。その結果、一人ひとりの信教の自由が強く担保されたが、一方では寺院ごとに宗教法人として独立した活動を行うため、一宗派としてのガバナンス(管理)は難しくなってきている。
そのデメリットは働き方や厚生年金加入の問題でも表面化している。宗教界といえども、法令を順守するのは当然だ。昔から寺には長時間の勤めもいとわない文化はあったが、法人化によって変わった。ただ、法人といっても実態は住職と家族でお寺を回しているところがほとんど。檀家に支えられている以上、「弔いは9時から17時までの間でお願いします」とはいかない。病院長が担当医と分担して24時間入院患者に対応するように、檀家の要望を踏まえつつ住職同士が連携するなど、寺院も相互協力して運営していく必要があるだろう。
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