靖国神社の懐事情が厳しさを増している。
機関誌『靖国』に毎年掲載される決算報告によると、収入の屋台骨である「会費」の減少が止まらない。
普通の神社とは違って靖国神社には氏子がいない。代わりに神社の運営は、戦没者遺族などで構成される1口3000円からの会員組織(崇敬奉賛会)に支えられてきた。
その崇敬奉賛会の2017年度会員数は、10年前に比べて11%減った。10年前は約2億円あった会費収入も1.5億円に落ち込んだ。神社奉賛金(靖国神社への寄付金)も減少してきた。

原因はやはり戦争世代(遺族・戦友)の退会だ。機関誌に「(死亡による)退会のご連絡をいただくたびに、ご家族に引き継ぎをお願いしているが、なかなかに難しい状況である」と、つづられたこともある。
ほかの収入源も細っている。特に慰霊祭の開催が年々減っていることは、祭祀料収入を直撃する。日本近代史の専門家で一橋大学特任教授の吉田裕氏は言う。
「戦友会などが靖国神社で催す慰霊祭の数は1995年の388件をピークに、08年には65件に減った。大口寄付者だった軍恩連(軍恩連盟全国連合会)や傷痍軍人会などの全国的組織も、軒並み解散してしまった」
神社側は最新の慰霊祭数を非公表とするが、機関誌に載った慰霊祭を数えると17年は25件と一段と少なくなっていた。
靖国神社は「単立宗教法人」である。すなわち、神社本庁のような互助組織に所属する神社と比べて、単独の宗教団体として財政を維持することが求められる。それゆえに事態はいっそう深刻であるように見える。
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