史上初の米朝首脳会談が、来る6月12日に開催の予定である。しかしなお予断を許さない。開催できるかどうかもわからないし、たとえできたとしても、その成果は未知数である。……と書いていたところで、中止のニュースが舞い込んできた。案の定といったところである。
そんななか、日経ビジネスオンラインでコラム「早読み 深読み 朝鮮半島」を連載する鈴置高史氏の5月15日付記事(http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/226331/051400177/)に寓目した。琴線に触れたとでもいうべきだろうか。
半島研究プロパーからすれば、筆者はまったくの門外漢にひとしいので、旧知の氏からはかねて多大な示教をいただいている。くだんの記事は、目前の北朝鮮問題のうち、南北首脳会談を終え、米朝首脳会談に向けたシナリオを解説、論評する体裁の文章だった。しかしその実、圧巻は韓国の奇妙な動きを鋭く指摘したくだりにある。
非核化と核の傘
北朝鮮の非核化をめぐって米朝が鋭く対立しているのは、周知の事実なのかもしれない。ところがそうした争点は、去る南北首脳会談で、韓国がむしろ先んじて「朝鮮半島全体の非核化」をもちかけたことにより、いよいよ顕在化した。
半島全体の非核化とは、北朝鮮の非核化だけでなく、韓国に対するアメリカの核の傘をもとりはらう、つまり米韓同盟をも事実上、破棄しようとするにひとしい。こうして、先にアメリカに対する拒絶を示したにもかかわらず、当の韓国はなお、アメリカの軍事支援や「核の傘」を期待する姿勢を改めない、というのである。
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