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東京・新宿の熱い夜 多国籍化がさらに進む

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ふと思い立って、久しぶりに夜の新宿歌舞伎町を歩いてみた。意外なくらい、安全に感じられた。家族連れの外国人観光客が、ネオン街の写真を撮っていたりする。もちろん風俗店などは健在だが、呼び込みもいないし、「その筋の人たち」も見掛けない。かつて大沢在昌の『新宿鮫』シリーズを愛読した者としては、物足りないくらいの光景であった。

そのまま新大久保駅方面に通り抜けてみた。すると、昔はラブホテル街だった地域が活気づいている。「新大久保はコリアンタウン」と聞いて久しいが、むしろ多国籍な街になっている。ベトナム系やネパール系の店も進出し、ハラルフードを出す「イスラム横丁」までできている。

さまざまな人種や民族が行き交い、いろんな国の言葉が聞こえてくる空間には不思議な開放感がある。こんなマルチエスニックな街ができていたとは、東京も捨てたものじゃないな、となぜか誇らしい気分になった。

最近ではようやく、ダイバーシティなどという建前を口にするようになったが、この国の本音は「国民国家」である。だからグローバル化もゆっくりとやってくる。おかげで社会が安定していいじゃないか、と高をくくっている。

統計以上の外国人増

ところが現実はどんどん変わりつつある。この国で暮らす外国人はおそらく統計以上に多い。300万人は超えているのではないか。そして今年は、たぶん年間3000万人を超えるであろう観光客もやってくる。

その先端を行くのが東京で、もっと言えば新宿である。新宿区の住民は、すでに8人に1人が外国人であるとのこと。その先端を担ったのが、ニューカマーと呼ばれる韓国人たちであった。

現在の韓流ブームはすでに第3次なのだそうだ。最初はもちろん、2004年の「冬ソナブーム」。次に10年ごろから少女時代や東方神起などのKポップがブームになる。それが12年夏に李明博(イミョンバク)大統領(当時)が竹島に上陸すると、日韓関係は急速に悪化して、ヘイトスピーチが跋扈(ばっこ)するようになる。

再びブームが戻ってきたのは、「戦後70年」が過ぎた16年ごろからだ。新大久保発のB級グルメ「チーズタッカルビ」が火付け役となる。イケメンアイドルのライブや韓流コスメを目当てに、休日には若い女性たちが集まってくるようになった。

韓流に眉をひそめる人たちもいる。門戸を閉ざしてしまいたい、という気持ちはわからないではない。しかし国家が閉鎖系を目指しても都市は開放系である。

「都市の空気は自由にする」という中世欧州の言葉どおりのことが起きている。刺激があってよいと思うのだが。

(シメオン)

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