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GMS時代の終わりは必然 松井忠三 その1(全4回)

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良品計画を赤字からV字復活へと導いた経営者が、30年の流通業界の盛衰を振り返る。

まつい・ただみつ●1949年生まれ。1973年東京教育大学(現・筑波大学)卒業、西友ストアー(現・西友)入社。91年良品計画出向、92年入社。2001年同社社長、08年会長。15年から名誉顧問。(撮影:大澤 誠)

ビジネス人生42年を流通一筋で過ごしたが、平成のいちばん大きな変化はGMS(総合スーパー)と百貨店のビジネスモデルが崩れたことだった。

1973年に私が西友に入社した頃は「西のダイエー、東の西友」といわれ、社内もわんわんと燃えていた。だが、大量仕入れやチェーンオペレーションといった事業モデルでGMSが伸びた時代は平成に入ると終わりを迎えた。

大量に仕入れても高くつくものが増え、魚も肉も野菜も安くならなくなる。セルフ販売も、GMS特有の仕組みではなくなった。そしてどんどんニーズが多様化し「個人の時代」になった。消費者の成熟化は、専門店化という方向に向かう。百貨店もビジネスモデルが崩れて苦しみ、立て直すことができず合併していった。三越と伊勢丹の統合が一つの象徴で、規模を大きくして経費を落とすしかない。

既存店はマイナスが続き、西友では立て直しのため、幹部社員の意識改革をしないといけないということになった。ちょうど私が社員教育の責任者だった頃の話だ。社長と会長以外の幹部約300人が、意識改革の対象となった。

厳しい意識改革研修は、結論から言うと失敗だった。日々の仕事を通じてしか社員の意識は変わらない。研修で意識を変えられるような、楽な構造で人間はできていない。崩れたGMSのビジネスモデルを立て直すための営業政策を先に行うべきで、意識改革を先行してやればなんとかなると考えた西友のトップマネジメントは間違っていた。

GMSの多くは大企業病になっていた。本社が偉くて、口の達者な人が出世する。議論はしても、店が変わらない。ダイエーは実質破綻し、西友もウォルマート傘下となった。イトーヨーカドーもイオンも、相変わらずGMSに手が打てていない。再建の困難度は、百貨店よりもGMSのほうが大きい。

良品計画の社長だった2001年ごろ、当時頻繁にお会いしていたセゾングループの堤清二さんが、冗談めかして「松井君ね、西武百貨店と西友をグループから外して、これからはファミリーマートと良品計画で商売したほうが良いのではないかと思う」と言った。半分は本心だったのかもしれない。それから10年経つと、幸か不幸か堤さんの言ったとおりに業界の主役が交代することになった。

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