JR西日本が鉄道以外の事業多角化を急ピッチで展開している。昨年6月、広島県の地元業者と組んでカキの養殖事業に参入した。地下海水を使って陸上養殖することでノロウイルスの影響を受けにくく、生で食べられるのが特徴だ。大阪・梅田と東京・新宿で市場調査を兼ねた試験販売も行っている。
さらに昨年12月、ベンチャービジネス事業を行う「JR西日本イノベーションズ」を設立した。JR西日本が100%出資し、出資枠30億円の中から有望な企業に出資していく。
JR西日本の手法はコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)と呼ばれる投資スタイルの一つ。いわゆるベンチャーキャピタルという投資スタイルは、複数の投資家から資金を募り有望な企業に投資、将来の上場などによる株式売却益といった金銭的なリターンを目的とした投資を行う。これに対し、CVCは大企業が資金を出して、自社と事業シナジーが見込めそうなベンチャー企業に出資する。投資先の事業を自社内に抱え込むこともあり、必ずしも金銭的なリターンを目的としているわけではない。
JR西日本でCVC構想が持ち上がったのはおよそ1年前。「ベンチャー企業の見方やベンチャー企業の情報を経営共創基盤(IGPI)から教えてもらっているうちに、自らCVCを設立して投資してはどうかという発想が出てきた」と、JR西日本イノベーションズの奥田英雄社長が語る。
今回設立された新会社は、投資先として3つの重点分野を掲げている。特に期待が大きいのは新規事業。カキ養殖のほかにもJR西日本はサバの養殖、地域産品のネット販売、といったビジネスも進めてきた。今後、このような事業は新会社が受け持つことになる。
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