日産自動車は2016年11月、熱交換器やコックピット計器を製造する系列最大の部品メーカー、カルソニックカンセイ(カルカン)の全保有株(約41%)を米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却することを発表した。
「日産の関係会社というハンディキャップがなくなれば他社との取引を拡大でき、より早く成長できる」。日産のカルロス・ゴーン社長はそう効果を強調した。
仏ルノー傘下の日産は系列解体を大胆に進めたが、カルカンは海外展開を進めるうえで貴重な存在だった。カルカンは日産の工場内に生産ラインを設け、複数部品で構成されるコックピットモジュール(CPM)を独占的に供給した。
この15年で日産の販売台数は倍増し、カルカンも売り上げ1兆円を超える規模に成長した。だが、「車種が増え、CPMの立ち上げを消化するのにほぼ手いっぱい」(森谷弘史カルカン社長)となる。
デンソーや独ボッシュは自動運転やコネクテッドカーの潮流に乗るが、カルカンは「新技術の提案力が乏しく、日産の生産請負会社にとどまっている」(アナリスト)。
KKR傘下でカルカンは売上高の8割を占める日産向け以外へ拡販を進める。他社との協業やM&A(企業の合併・買収)も視野に入れるが次世代の技術開発で追いつくには時間がかかる。当面はCPMの構成部品の他社拡販に注力する方針だ。
競合する自動車部品メーカー幹部は、「カルカンがトヨタやホンダ向けの受注を狙ってきたら、価格競争の激化は避けられない」と話す。カルカンの動向をライバルたちはかたずをのんで見守っている。























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