広告の効果が薄れてきたと言われる。そんな中、消費者に影響力を持つ人を巻き込むインフルエンサーマーケティングや、口コミで盛り上げるバズマーケティングなど、戦略PRと呼ばれる手法が注目され始めた。マーケティングにおけるPRとは何か。第一人者に聞いた。
──広告の効果は本当に薄れてきているのでしょうか。
日本では、大手の広告会社中心にテレビなどの枠を大量に買い取って広告を打ち、人々の注意を引き付けるやり方が中心だった。ところが昨今、消費者が選択可能な情報量は12年前の637倍で、まさに情報洪水。広告だけで消費行動まで結び付けるのは容易ではない。さらに、2006年ごろからブログや口コミサイトといった消費者発のメディアが本格化し、ネット口コミが広まった。「広告は企業に都合のいいことばかり」と懐疑的になった消費者は、ブロガーのほうを信頼し、相対的に広告の信頼度が下がった。
──つまり、PRのほうが広告効果が高い、と?
PRと広告は違う。PRは広告と違って、メディアにおカネを支払って「広告枠」を買う商取引ではない。メディアに情報を提供し、それを取り上げてもらうことだ。PRは広告を補完するもので、問題や流行に対する関心を高めるのに適している。
たとえば、日本の赤ちゃんの寝る時間が遅いといった問題について、有名小児科医と一緒に国際比較調査などを行い、啓発活動をする。それをメディアに発表してニュースにすれば、母親の間で問題への関心が広がる。第三者のメディアを介した情報だから信頼性は高い。これが広告との違いだ。そして、こうしたPRによって世間的な認知が高まったところで、吸収力が高く、睡眠を妨げないおむつを広告すれば、消費者への訴求力はグンと高くなる。
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