社長就任から2カ月。「井阪改革」の号砲が鳴り響いた。
井阪隆一社長率いるセブン&アイ・ホールディングスは8月上旬、傘下のそごう・西武において、業績が低迷していた百貨店2店の閉鎖を公表した。西武筑波店(茨城県つくば市)と西武八尾店(大阪府八尾市)で、2017年2月末に閉店する。併せて45歳以上の正社員を対象に350人の希望退職者の募集も行う。井阪社長の体制としては初めて発表された構造改革である。
今回閉鎖が発表された西武筑波店は、国際科学技術博覧会(つくば科学万博)が開催された1985年に開業。家族連れやシニア層が顧客の中心となり、91年度には過去最高となる248億円の売り上げを記録した。だが、その時期を境に業績は低下の一途をたどる。直近の15年度の売上高は128億円と、ピーク時からほぼ半減するほどに落ち込んだ。
西武筑波店が位置するつくば市の人口は16年3月時点で22.4万人と10年前から3.2万人も増えた。にもかかわらず、店は閉店に追い込まれた。その原因が「つくばエクスプレス」(TX)だ。
TXは茨城県・つくば駅と東京都・秋葉原駅を結ぶ路線で05年に開通した。アクセスのよさを背景に、沿線付近は都心に通う人たちのベッドタウンとして定着してきた。こうした好機を逃すまいと、TXの開業前後には次々と商業施設がオープンした。西武筑波店の周辺地域にはイオンモールが出店し、「ファミリー層やシニア世代が競合店に流れてしまった」(そごう・西武)。
皮肉なのは交通の便がよくなり、都心に買い物へ出ていく人も増えたことだ。人の流れの変化に対応できなかった西武筑波店は12年度から4期連続で営業赤字となり、今回の閉店発表に至った。
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