修会長から俊宏社長というバトンタッチは既定路線だった。ただ、周囲を驚かせたのは株主総会の4日後というタイミングだった。
もともと2015年にかなりの確率で社長交代があると予想されていた。スズキ設立95周年で修会長は85歳と切りもいい。14年に暦年での軽自動車販売で国内ナンバーワンの座を8年ぶりにダイハツ工業から奪還したことも花道となる。
しかし、5月の決算発表でも交代はアナウンスされず、6月26日の定時株主総会も終了してしまった。もう1年、修会長が社長を兼務すると思われた矢先の電撃人事だ。
スズキとしては、独フォルクスワーゲン(VW)との資本提携解消問題の決着を待っていた格好だ。だが、「それがかなえられず、もうこれ以上は待ち切れない」(修会長)と踏み切った。
長年、スズキが資本業務提携していた米ゼネラル・モーターズ(GM)との資本提携を解消したのは08年。GMの経営危機が理由で、スズキが望んだことではなかった。
将来の環境技術などへの対応はスズキ単独では難しい。GMの次に頼ったのがVWだった。09年末にVWがスズキ株を19.9%取得することで合意。だが、両者の溝はすぐにあらわになった。「対等の精神」を求めるスズキに対し、支配を強めようとするVW。スズキは期待ほどに技術が供与されないことなどにも業を煮やし、11年には提携解消を求めて国際仲裁裁判所に仲裁を申し立てた。14年9月には裁判所の手続きが終結、VWは年次報告書で「15年前半に決着する」と記載していたが、いつまで待っても判決が出ない。
「私自身が(資本提携を)実行した立場ですから、何とか判決が下りるまで自分の責任でと思っていたが、ここまで長くなると待ち切れない。もうこれ以上、それを待ってということでやりますと、ウチの事業計画も遅れてしまうので、今回決断したわけでございます」(修会長)
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