「遠距離看病」の負担を少しでもやわらげるために 小児入院を支援する「ドナルド・マクドナルド・ハウス」

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現在、難病で苦しむ子どもの数は、全国で20万人と言われている。小児入院の場合、親が子どもに付き添うことが多いが、ここで生じるのが「自宅と病院の距離が離れてしまう」遠距離看病の問題だ。自宅と入院先との二重生活による経済的な負担や離れて過ごすことによる精神的な負担など、遠距離看病には様々な問題がつきまとう。子どもの入院経験のある家庭を調査したところ、そうした遠距離看病の実態が浮かび上がってきた。

たとえ遠距離看病でも「毎日子どもに付き添う」

子どもが高度小児医療を必要とする病気になってしまった場合、必ずしも自宅の近くに適切な医療機関がない場合がある。そうした場合、自宅から遠く離れた病院に子どもが入院することになるが、そこで発生してくるのが「付き添い」の問題だ。

大人であればある程度一人でこなせることでも、子どもの場合そう簡単にはできない。そのため、子どもの入院については、どうしても親が付き添い、子どもの面倒をみる必要が出てくる。近くの病院であれば頻繁に付き添うことも可能だが、遠距離の場合に、そうした付き添いは可能なのだろうか。

公益財団法人 ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンが調査したところ、子どもを持つ親のうち、3割以上が「自分の子どもの入院」を経験していた。中でも、自宅から病院までの距離が片道2時間以上となる「遠距離看病」家庭が2.1%存在したが、「遠距離看病」家庭でも60%以上が「毎日付き添い」をしていたという。月当たりの付き添い日数で見ても、距離1時間未満の家庭との差は1日ちょっとしかない。たとえ病院までの距離が遠くても、子どもの入院に際しての対応に大きな差はないのだ。

公益財団法人 ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン調べ

しかしこうした「遠距離看病」には、当然様々な負担がつきまとう。往復4時間以上となる移動時間は当然のこと、子どもが一人ではないときは入院している子ども以外の兄弟にも負担がかかってしまうし、経済的負担もある。

実際、同財団の調査でも、遠距離看病に伴う物理的負担として、「時間/多忙さ(38.4%)」「移動距離(53.1%)」「経済的負担(31.4%)」を挙げる家庭が多かった。とくに移動距離や経済的負担については、自宅と病院との距離が近い家庭に比べて、遠距離看病の家庭の方が、負担が重いと答える割合が高かったという。

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