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外注範囲が広がり建設現場が空洞化した
問題の背景には、建設現場の空洞化がある。以前、ゼネコンの社員は自ら図面を引き、技術計算をした。先輩社員と現場に出て、OJT(職場内訓練)で仕事を覚えた。しかしバブル崩壊後、社員数が減り外注範囲が広がった。外注先が成長し、部材の設計から施工までを一括して引き受ける産業構造変化が起きたが、一方で外注先のエラーに対する歯止めが利きづらくなった。
かつては業務を体で覚えていれば、「ここは外せない」という勘所があった。杭打ちや構造体は、まさに外せない部分。対応を誤ればどれだけのリスクがあると認識されていたか。そのリスクを外注先(下請け)だけが認識し、発注者や元請けと共有していなかった可能性もある。
経験知ある技術者が消える
ラグビーのレフェリーの間に「ファースト・テンミニッツ」という戒めがある。レフェリーが最初の10分間できっちり笛を吹かないと、ゲームが運営できなくなる。それと同じように、業務にきちんと優先順位をつけて、重要な現場作業には管理技術者が立ち会うようにする。報告業務にはウェブカメラなどITを活用して、作業を増やさない工夫も必要だ。
建設現場では、業務を体で覚えた経験知のある技術者があと5年でいなくなるといわれている。10年前の耐震強度偽装事件の後に建築確認の手続きが厳格化されたが、ペーパーワークも増えた。現場の実態に即した解決策が必要だ。
住宅ではいまだブランドが重視されるが、今後は徹底的な情報開示によって品質を保証する動きが出るかもしれない。情報開示を義務づけなくても、そのような企業が購入者から支持されれば、自然と定着するようになる。
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