国債をはじめとした債券金利の低下が止まらない。1月20日には一時5年物国債金利がマイナスをつけ、10年債も0.2%を割った。翌21日には個人向け5年国債(窓口販売分)の販売が金利低下を理由に中止された。2010年以降のイールドカーブを見ると、アベノミクスが本格スタートした13年以降、各年限での金利水準が大きく低下し、未踏の領域に達している(図表1)。
拡大する
「昨年末に5年債の金利が0.1%を割ったあたりからのろしが上がり、畳みかけるように金利が低下している。日本の投資家の感覚では買えないが、通貨スワップを使って採算が取れる外国勢が買って取引が成り立っている」(SMBCフレンド証券の岩下真理チーフマーケットエコノミスト)という。
昨年末に開かれた国債市場特別参加者会合では「10年債利回りで0.1%といった水準も想定する必要がある」という意見も出た。10年債がマイナス金利になることも非現実的ではなさそうだ。
外国勢と並び、強烈な金利低下を主導しているのは日本銀行だ。13年4月に量的・質的金融緩和政策(QQE)を導入し、昨年10月には追加緩和を実施、現在はマネタリーベースを年間約80兆円増やすペースで国債を大量に買い入れている。14年9月末時点で日銀の保有比率は22.9%。単独の組織としては最大の保有主体になっている(図表2)。
拡大する
15年度の国債発行計画によると、新規に発行される国債は約37兆円。これらをすべて日銀が買っても80兆円は積み上げられないため、銀行などが保有する国債も吸い上げなければならない。
国内銀行は14年9月時点で127兆円の国債を保有している。だが、「銀行は預金が伸びており、運用上ますます国債が必要。公的年金が放出するとしてもせいぜい二十数兆円が限度。保険や外国人はむしろ国債の買い主体で、日銀に国債を売る主体が見当たらない。QQEを進める限界点に近づいている」(モルガン・スタンレーMUFG証券の河野研郎・チーフ債券ストラテジスト)。
金利が消滅し、取引が少なくなったことでRBS証券のようにプライマリーディーラー資格を返上するところも登場し、国債管理運営上の一種の「インフラ」的な機能が低下している。「国債市場の流動性が極端に落ちているため、金融政策が出口を迎え、金利が上昇していくときのショックが大きくなりかねない」(河野氏)おそれがある。
日銀は21日の政策決定会合で、15年度の消費者物価の見通しを従来の1.7%から1%に引き下げた。目指している15年度中の2%の物価目標は達成できない可能性が濃厚になり、追加緩和の手法やタイミングをめぐってあれこれと観測が絶えない。
だが、追加緩和策には「国債の市場機能がさらに低下するだけ。本来やるべきでない政策だ」(岩下氏)との批判も根強い。QQEの進退は窮まりつつある。






















無料会員登録はこちら
ログインはこちら