渋谷発!
國學院大學 赤井益久学長によるトップ対談 國學院大學

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相手の文化を尊重するために
まずは日本の文化を知る

渋谷再開発プロジェクト
日建設計はプロジェクトの指針づくりの段階から参画。ヒカリエをはじめ、今後も渋谷の価値が高まる開発が進む

赤井 御社は、先進的な技術を備えながら、日本文化を継承することも大切にされていますね。本学も伝統文化を継承し、そこに学び新たな価値を創造していくことを使命としています。最近では、海外での実績も増えていると伺いました。

中村 当社の売上高における海外比率は現在約20%です。今後はさらに伸ばしたいと考えています。当社の進出先は、アジア、中近東、ロシアなどの新興国が多くなっています。

設計者の選定にあたっては、欧州の企業と競合になることがほとんどですが、当社が選ばれた際に「日本の企業だから」と言われることが少なくありません。伝統を守りながら非常に先進的な技術を追求しているという点が評価されるのです。

赤井 これまで培ってきた伝統と新たな価値の創造を両立しているということですね。海外に出て仕事をするためには、その国の言語が使えるだけでは不十分で、その国や地域の文化を理解することが大切だと強く思います。

中村 もちろんです。最初は相手の文化の尊敬から始まります。ただし、実際に海外に行ってみて痛感するのは、相手の国や地域の文化を勉強するには、その背景として、日本の自分たちの文化を知っていなければならないということです。

大学も街も、一人ひとりの人間の
気持ちからつくられる

グローバル・チャレンジ・プログラム
國學院大學では、英語での日本文化・社会の授業(Japan Studies)、海外留学経験等を核にしたグローバル・チャレンジ・プログラムを在学生へ提供している

赤井 大学では今、グローバル化する時代に、どのように人材を育成するのかが問われています。私は、海外に出て行って活躍することも大切ですが、その前提として、自分のアイデンティティや日本を知っていることが不可欠だと感じています。

本学では、海外へ出て行くプッシュ型の人材育成だけでなく、海外から日本を訪れる方々に日本文化を理解してもらうプル型の人材育成にも力を入れています。そのため国語力や日本文化を体験する授業を充実させています。

中村 それはすばらしい取り組みですね。

建築物は「ハード」のように考えがちですが、大切なのは「人」です。快適さや便利さを感じるのは人間ですから。街づくりも同様で、たくさんの人が渋谷に集まるといっても、結局は一人ひとりの気持ちが、街全体をつくっていくのです。

赤井学長のお話を伺って、人材育成に対する貴学の姿勢にも共感を覚えます。魅力ある街・渋谷の大学として、貴学がさらに存在感を発揮されることを期待しています。

赤井 ありがとうございます。