渋谷発!
國學院大學 赤井益久学長によるトップ対談 國學院大學

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渋谷で大規模な再開発プロジェクトが進んでいる。
日建設計の中村光男会長と國學院大學の赤井益久学長が渋谷への思いや人材への期待について語り合った。

渋谷の街づくりに参加
新たな価値創出を目指す

國學院大學
学長
赤井 益久

赤井 本学では、2002年に創立120周年を迎えるのを契機に、21世紀の都市型大学を目指して、8年間をかけて渋谷キャンパスの再開発を行ってきました。09年に完了を迎えましたが、御社には設計監理を担当していただきました。新たなランドマークとなる「若木タワー」や南北に延びるキャンパスモール「千年の道」、博物館を備えた「学術メディアセンター」ほか、建学の精神に基づいたさまざまな提案をしていただき、快適なキャンパスに生まれ変わることができました。大変感謝しています。

日建設計
会長
中村 光男

中村 こちらこそありがとうございます。お話をいただいたのは15年ぐらい前のことだと思います。最初に描いたマスタープランどおりにできたのも、貴学の方針にぶれがなかったためだと考えています。

赤井 御社では「渋谷ヒカリエ」の設計をはじめ、渋谷駅周辺の再開発にも携わっているそうですね。

本学は渋谷を拠点に132年の歴史があります。本学は神道精神を研究・教育の理念としています。神道は地域社会と密接に結びついた考え方に特長があります。10年以上前から、渋谷の街を、文学、歴史、社会、宗教など、多様な視点で考察する「渋谷学」などの研究も進めています。渋谷の再開発による変容ぶりは、「渋谷学」としても大きなテーマの一つになりそうです。

中村 渋谷の再開発について、当社はその指針づくりの段階から参加しています。プロジェクトの特長の一つは、「渋谷ヒカリエ」をはじめとする複数の高層ビルの建設に加え、これらを含む渋谷駅周辺をデッキでつなぐことです。渋谷はその名のとおり、谷の底にあり、JRの線路をはさんで、東西に分断されていましたが、複数の歩行者デッキを設けることで、人の移動がこれまで以上に活発になります。文化発信地としてのポテンシャルをさらに引き上げ、新たな価値が創出されると考えています。

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