コスト削減・業務効率化だけじゃない
企業を強くするBPO活用法がある

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経済産業省がビジネス支援の
認証制度を検討

―― アウトソーシングを活用するときに気をつけなければならない点は?

関口 コスト削減しか考えていないと、何から何まで外に出し、その業務を担当する人員を1人も残さないということをしがちです。そうすると今度はその業務がブラックボックス化して、トラブルがあったときに会社としてコントロールできなくなることがあります。業務は外に出しても、その仕事がわかる人、マネジメントできる人を社内に残しておくということが必要なときもあります。また「うちはずっとこのやり方だったから」と従来の業務プロセスにこだわるあまり、せっかくアウトソーシングしても十分な成果が出ないこともあります。もう一つ、アウトソーサーを下請け感覚で使うのではなく、ビジネスパートナーととらえるべきでしょう。下請け感覚だと、アウトソーサーから出た提案や要望に対してすぐ拒否感を示してしまう。それでは効果がなかなか出ません。効果を実感している企業ほど、アウトソーサーと上手な関係を築いています。

―― 行政サイドで新しい動きはありますか。

関口 今年6月に経済産業省が「サービス産業の高付加価値化に関する研究会」の報告書を公表しました。そこではサービス産業の生産性向上・高付加価値化の実現に向けた政策の一つとして、ビジネス支援サービスの活用促進のために「サービスの質の見える化のための認証制度創設」が検討項目に挙がっています。今の段階ではどのような認証制度になるのかわかりませんが、ベンチャー企業や中小企業では特にBPOの活用が進んでいないため、この認証制度によってアウトソーサーを選びやすい環境が整えば良いと思っています。私もその検討にかかわる予定のため、業界に与える影響など、今後も注意深く見ていきたいと考えています。