コスト削減・業務効率化だけじゃない
企業を強くするBPO活用法がある

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BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を利用する企業が増えている。
特に人事、給与などのバックオフィス系の業務をアウトソースするケースが目立つ。
だが、BPOを研究する東京経済大学の関口和代教授は「まだうまく活用できていない企業も多い」と指摘する。
BPOを活用するポイントは何か、アウトソーサーを選択する判断基準は・・。
関口教授に話を聞くと、経済産業省が認証制度の導入を検討している事実も浮かび上がってきた。
関口 和代
東京経済大学 経営学部 教授
経営学博士。人的資源管理、人材育成とキャリア形成などを研究。BPO企業の従業員を対象とした国際比較調査を日本・ベトナム・中国で実施。共編著書に「キャリア形成」(中央経済社)、共著「産業・組織心理学」(白桃書房)など

日本はバックオフィス業務の
アウトソーシングが遅れている

―― BPOを活用する企業が増えているようですが、市場はどの程度拡大しているのでしょうか。

関口 市場が拡大傾向にあることは、間違いありません。しかし、BPOの定義があいまいであったり、企業によって出てくる数字の根拠や定義が異なっているため、学問的に正確な市場規模が測りにくい、というのが実情です。

―― 欧米諸国と異なり、日本ではバックオフィス部門のアウトソーシングがそれほど行われてこなかったと先生はおっしゃっています。その理由は?

関口 日本企業は業務を社内に抱え込む傾向があります。それに加えて社内的な抵抗があることもその原因になっています。業務を外に出すと、自分の仕事がなくなってしまうから反対する、という抵抗です。米国企業などの場合、M&Aに慣れているので、そういう抵抗感はそれほどないようです。心情は理解できますが、将来のことを考えるとそこは超えなければいけないところです。経済合理性を考えて必要ならばアウトソースすべきですし、経営側はどれだけ社員を納得させられるかが大事な点です。アウトソースする業務を担っていた社員には、企業にとってより重要なコア業務に注力してもらう、トレーニングをさせて他の業務を用意するなどの配慮も必要でしょう。

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