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―ワークスタイル変革を支えるIT基盤の構築―
協賛:シトリックス・システムズ・ジャパン、シスコシステムズ

基調講演
「テレワークという働き方について」

古瀬陽子氏
厚生労働省 労働基準局 労働条件政策課調査官

ICTを活用した場所にとらわれない働き方「テレワーク」が、さまざまな観点から注目されている。厚生労働省の古瀬陽子氏は、「活力ある社会経済維持のため、在宅勤務環境が整えば、育児に伴う女性の離職防止につながる」と指摘した。政府は経済・女性・ITの各政策に関する閣議決定で、テレワーク推進に言及。セミナー開催や個別企業の支援、テレワークモデル構築のための実証事業といった施策を展開し、今後はサテライトオフィスの整備といった施策も検討していく予定。古瀬氏は「優秀な人材の流出防止、労働力人口減少緩和、地域活性化、地域の雇用創出、ワーク・ライフ・バランス向上などさまざまな面で、テレワークは、企業、社会、働く人にプラス効果をもたらす」と述べた。

事例講演Ⅰ
「『泣ける! 広島県(T▽T)/ 』の新たなワークスタイルへ向けた挑戦(商工労働局へのシンクライアント250台導入プロジェクト)」

桑原義幸氏
広島県 情報化統括責任者兼 業務改革責任者(CIO)

広島県のイメージアップに取り組む桑原義幸氏は「新たなパワーを県民サービスに向けるため、役所から端末を持って飛び出して働く、少しだけかっこいい行政マン」を目指してきた。そこで、企業誘致、観光などで県を売り込む営業部隊、商工労働局に、ソフトウエアや業務データをサーバーで集中管理して端末に配信する、シンクライアントシステムを導入。庁外でも大半の業務を処理できるモバイル環境を整えた。効率的な働き方を目指し、職員が決まった机を持たないフリーアドレス制を導入。桑原氏は「コミュニケーションが活性化し、アイデアを出しやすい環境になった」と、その効果を語った。

ソリューション講演Ⅰ
「働き方が変わる!これからのITの使い方」

竹内裕治氏
シトリックス・システムズ・ジャパン チャネルアンドマーケティング本部プロダクトマーケティング部シニアマネージャー
財津健次氏
シスコシステムズ システムズエンジニアリング センターオブエクセレンスシニアマネージャー

場所にとらわれないワークスタイルを実践する、シスコシステムズの財津健次、シトリックス・システムズ・ジャパンの竹内裕治の両氏は、1日の仕事を想定したIT活用例を紹介した。竹内氏は、外出先でもさまざまなデバイスを使い分けられる仮想デスクトップのXenDesktopを利用。モバイル端末に合わせた表示もできる。財津氏は、朝8時からの米国とのビデオ会議に自宅から参加を想定。暗号化して会社ネットワークに接続できるルータを使い、セキュリティを確保。両社のソリューションを組み合わせることで、場所や時間に依存せず、安全に業務や会議が可能となる。両社は体験用の施設やセミナーを用意している。

事例講演Ⅱ
「丸紅におけるセキュアなリモート業務環境の構築」

木村直喜氏
丸紅 情報企画部部長付

丸紅の木村直喜氏は、ホテルでビジネスセンターのPCに保存したデータを消し忘れるなどの情報漏洩防止策や、会社システム以外のサービスを業務利用するシャドーIT排除などを図るリモート業務環境構築を説明した。画面転送型のXenAppを使って、セキュリティとユーザー利便性の両方を意識した環境は、評価が高いという。BYODについて木村氏は、「リスクを排除しながら、個人端末への会社管理を最小限にとどめる必要がある」と指摘。そのためのMAM(モバイルアプリケーション管理)のXenMobileを活用する。そのメリットについて、公私をまたいだコピーやダウンロードができない、分離の徹底などを挙げた。

ソリューション講演Ⅱ
「ITによるワークスタイル変革で実現する組織力強化」

鈴木和典氏
シトリックス・システムズ・ジャパン チャネルアンドマーケティング本部本部長

労働人口減に加え、震災やパンデミックなどのリスクが増している。その中で、職場を中心とする考えを脱し、場所に依存しないことで、変化やリスクに強い働き方が求められている。シトリックス・システムズ・ジャパンの鈴木和典氏は「在宅勤務、災害対策、グローバル化と時差を超えるコミュニケーション、といった目的ごとに検討されることも多い」と、現状に疑問を呈した。そして「ワークスタイル変革という共通点をとらえ、そのための応用のきくシンプルな共通インフラを設計すべきです」と全体最適化を主張。「そのカギを握るのは仕事環境の仮想化にあると考えます」と、同社が持つ技術の重要性を訴えた。