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旭化成不動産レジデンス
一団地規制の解除や公道の付け替えなど
難易度の高い事業を形に
京王線「調布」駅から徒歩圏の自然に恵まれた住宅地――。そこでいま、広大な敷地の4分の1を緑地とする総戸数331戸の分譲マンション「アトラス調布」の建設工事が進んでいる。石畳で美しく舗装されたメインストリートをはさむ2棟に配された各住戸は、それぞれが前後にずらされて並ぶ雁行型住棟設計となっており、その多くが、風や光を取り込む開放感あるプランになっている。
この「アトラス調布」は、東京都住宅供給公社が1971年に分譲した「調布富士見町住宅」の建替え事業により誕生するものだ。同住宅は地上5階建ての全5棟176戸からなる団地で、間取りタイプは全戸同じ約50平方メートルの3DKだった。
同事業の事業協力者である旭化成不動産レジデンス開発営業本部マンション開発第三営業部の花房奈々氏は「建物の老朽化が進むことに加えて、エレベーターがないといった問題もあることから、当社が事業協力者に選ばれる以前から、建替えの検討は行われていました」と説明する。
だが、同社が参加するまで計画は進んでいなかった。大きな課題が二つあった。ひとつは都市計画法上の一団地規制により容積率が80%に制限されていたこと。もうひとつは、公道(市道)が敷地を分断していたことだ。同社ではこれらの課題を解決するために、建替え事業の合意形成とともに、行政や地元警察、地域住民との協議を並行して進めた。その結果、地区計画によって一団地規制を廃止し、容積率を200%に引き上げることができた。また、公道位置を敷地中央に付け替えることも実現した。
と言っても、そのプロセスが決して易しかったわけではない。一団地規制の廃止、地区計画・地区整備計画制定が行われるまでには、2年半あまりかかった。また、マンション建替え円滑化法によるマンション建替えでは初めてと思われる公道の付け替えを伴ったため、工事期間を含め事業は通常より長い期間を要した。それでも計画が頓挫しなかったのは、同社ならではだ。
同社マンション建替え研究所の杉山直美氏は、「当社はこれまでにも一団地規制の廃止を伴う団地の建替えを2件経験しています。その実績とノウハウが生かされたと自負しています」と振り返る。