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改正マンション建替え円滑化法

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また、区分所有建築物については、耐震改修の必要性の認定を受けた建築物について、大規模な耐震改修を行おうとする場合の決議要件が緩和されました。具体的には、区分所有法における決議要件が4分の3以上から過半数になりました。厳密にいうと、耐震改修が共用部分(区分所有法17条1項)の変更に該当する場合でも「集会の決議」で足りるとされましたので、必ずしも全区分所有者の「過半数」の必要はなく、「集会の決議」について標準的な管理規約が定めているように、半数以上の集会出席があり、その出席者の過半数の賛成で足ります。耐震改修工事が非常にやりやすくなりました。この点はしっかり記憶しておくべきです。

耐震改修なども含め
幅広い選択肢を検討すべき

―― 改正マンション建替え円滑化法の敷地売却制度においては、マンションを買い受けようとする者は、買受計画を作成し、都道府県知事に申請する必要があるとされています。これはどういう意味でしょうか。また、容積率緩和の特例については、どう考えればいいでしょうか。

鎌野 マンション敷地売却制度では、マンションと敷地をデベロッパーなどの買受人に売却し、建物を除却してもらうことになります。法律では除却後の土地の用途については制限はありませんが、一般的には新しいマンションが建てられることが多いと思われます。むろん、区分所有者なども、新しく建てられるマンションへの再入居のほか、代替住居の提供やあっせんなどの有無が明確でないと、決議はできません。そのために、買い受けようとする者は、買受計画を作成し、認定を受けなければならないのです。

容積率緩和の特例については、実際の案件がまだ出ていないため、具体的な内容はこれから示されることになりますが、楽観はしないほうがいいでしょう。と言うのも、同特例を活用するには、特定行政庁の許可が必要であり、周囲の建物と大幅に異なる緩和は考えにくいからです。

―― 最後に、高経年化したマンションに住み、マンションの再生を検討している人にアドバイスをお願いします。

鎌野 都心の駅に近い立地のマンションをのぞけば、余剰の容積を売却し、少ない資金で建替えができるような物件は少ないと考えられます。建替えだけでなく、前述したような耐震改修促進法を利用した耐震改修なども含め、幅広い選択肢を検討すべきです。

ただし、区分所有者や管理組合だけでは知識や経験にも限りがあります。日ごろから、この点に精通したデベロッパー、弁護士、マンション管理士、マンション管理会社、NPOなどの専門家に相談しておくのも賢明な方法でしょう。

さまざまな情報を収集しながら、納得のいくような形で、広い意味での再生、活性をはかってほしいと願っています。

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