「リヴァンプ」の支援が企業から選ばれる理由 「企業を芯から元気にする」プロ集団を目指す
企業を「リヴァンプ」させ、さらなる成長期へ
リヴァンプは2005年に設立された。創業者は澤田貴司氏と玉塚元一氏の2人。いずれもプロ経営者として知られる両氏の転出後、16年から同社の社長を務めるのが湯浅智之氏である。
「社名のリヴァンプ(Revamp)には『刷新する』という意味が込められています。方向性を模索していた時期もありましたが、当社自身が『リヴァンプ』を行い、トラックレコードを積み重ねてきました」と紹介する。とくに湯浅氏が社長に就任してからはさらなる成長期に入っているという。
同社では既存顧客の高いリピート率を誇り、その中にはそうそうたる著名企業も含まれるが、その名前に頼らずとも、積み上げた成果が次の顧客を呼び、時には断らざるをえないほどだという。なぜそこまで顧客から信頼され、頼られる存在になるのだろうか。
同社の事業内容を一口で表現するのは容易ではない。経営コンサルタントでもなければシステムインテグレーター(SIer)でもない、投資ファンドでもない。「『企業を芯から元気にする』というのが創業時からの企業理念であり、それには変わりはありません。ただし、お客様の経営環境が変化する中で、私たちに求められる機能も変化していると考えています。私たちはそこで、『企業を芯から元気にする』内製化支援の技術会社を目指しています」。
そこで同社は、リヴァンプする内製化支援技術として「大きく、経営(『経営・マーケティング』)、DX(『業務・デジタル&IT』)、さらに投資(『自社での投資・事業経営』)の3本を掲げています」と湯浅氏は紹介する。「この3つそれぞれにプロを標榜する個人も会社もたくさんいますが、当社はそれをハイブリッドで提供していること、およびすべての活動が『企業を芯から元気にするために』というお客様の業務そのものに入って一緒に汗を流して改革を推進することを徹底していることが強みです」。同社の顧客には、それぞれの業界を代表する大手企業も少なくない。その理由はどこにあるのか。以下、3つの事業セグメントからひもといていきたい。
現場で一緒に汗をかく経営 (「経営・マーケティング」)
リヴァンプの3つの事業セグメントのうち、「経営・マーケティング」について語るのは、取締役 執行役員の千田勇一氏だ。
「支援先であるお客様の業種業態は、大手企業の一事業・事業子会社のビジネスモデル変革から、スタートアップ企業のグロース、オーナー企業の事業承継など、多岐にわたります。私たちはこれらに対して、CxO支援、経営戦略の立案・執行、経営企画業務、マーケティング戦略の立案・執行などから支援を行っていきます。大きな特徴は、コンサルタント然として『かくあるべし』と説くのではなく、現場に入り、一緒に汗をかくことです」。デジタルマーケティングの実行なども実際に手を動かすという。
「お客様の中には、経営コンサルティングファームや広告代理店、ITソリューション会社などと、起用を比較されることもあります。ただし、私たちはどちらか一方向からのご支援ということに限りません。お客様の立場で、複合的・統合的に、長期にコミットするのです」
コンサルティングファームなどの場合、経験豊富なコンサルタントに知見が蓄積され、属人的になるケースも少なくない。リヴァンプはどのように取り組んでいるのだろうか。
「当社では、十数年に及ぶ経営の成功や失敗体験を体系化し、『リヴァンプする技術』として定義し、共有化をしております。また、すべてが実践型の案件のため、急速に経験を積み重ねることができる環境です」と千田氏は話す。
このため、リヴァンプでは実践経験を最も重んじ、社歴の浅い若手社員でも責任ある実行を任されている。成長を可能にする「場」が多いのも同社の特徴だろう。
ITの内製化を支援するDX (「業務・デジタル&IT」)
DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉がバズワード化している。関心を持つ企業も増えているが、失敗事例を目にする機会も多い。その理由について、執行役員 SPA小売チーム管掌の安藤大祐氏は「デジタル化を進めたいと言いながら、実際には外部のベンダーなどに丸投げしている企業が少なくありません。本当の変革には、企業自身がリスクを取る覚悟、そして、その旗振り役となる経営陣のIT機能強化に対する覚悟が必要です」と答える。
安藤氏はリヴァンプ入社後、長年にわたり国内大手小売企業のIT×業務改革支援に携わってきた経験を持つ。
「売り場やサプライチェーンは刻々と変化しています。その変化に対応するためには、お客様の事業にとって何がコア業務で何がノンコア業務かを見極め、何をやるべきかを迅速に判断・行動することが大切であると、支援先企業のIT部門長から教わってきました。その考え方は今でも大切にしています」
リヴァンプでは、顧客企業の情報システム部門の一員として机を並べ、内製化を支援するという。「当社ではまだアジャイルという言葉が一般化する前からアジャイル開発にも取り組んできました。私も、お客様から要望があれば、その場で改善するといったことも当たり前にやってきました」。
「一方で、外部に頼らない企業におけるIT人材内製化が急務になっています。私たちは、企業の業務部門の人たちに対するIT人材教育も行っています。システム導入だけに終わらない、つねに進化する変化対応型のIT組織づくりを支援します」と安藤氏は力を込める。
自社資金による投資 (「投資・事業経営」)
リヴァンプの事業セグメントのうち、注目すべきは自社での投資・事業経営も手がけていることだ。取締役 執行役員CFOの大山拓也氏はこれまで、監査法人や投資銀行、PE(プライベートエクイティー)ファンドで経験を積んできたファイナンスのプロフェッショナルだ。
「リヴァンプはこれまでファイナンスをほとんど活用せずに成長してきました。ただし、見方を変えれば、キャッシュを創出できるからこそそのレバレッジを活用する余地が大きいといえます。今後は、リヴァンプの経営支援サービスのケイパビリティーとキャパシティーを拡充するM&A(合併・買収)、シナジー効果が期待できる企業との資本業務提携やバリューアップ投資なども積極的に行っていきます」(大山氏)
実際に、老舗企業でありながら業績や株価が低迷している企業や、新たなテクノロジー領域のスタートアップなど複数の企業が候補になっているという。ただし、そこでも「企業を芯から元気にする」というリヴァンプならではの企業理念は守っていく考えだ。
「投資を行う場合でも、単に資金を入れるだけでなく、投資先企業に役員として入るなどのハンズオン支援や共同プロジェクトなどの連携を行います」と大山氏は語る。
あくまでもリヴァンプの「企業を芯から元気にする」取り組みの本質は顧客の業務の徹底的な磨き込み
リヴァンプは、既存の経営コンサルティング会社やSIerなどとは一線を画す、独自のビジネスで成長を続けている。さらなる事業の拡大をどのように描いているのだろうか。
その問いに湯浅氏は「単純な売上高や拠点の拡大の数値目標は掲げていません。お客様のニーズに応えることで一緒になって成長を果たしたいと考えています」と答える。
「リヴァンプ(刷新)の主役はあくまでもお客様です。外部の立場でありながら、一緒に業務自体を磨き込む活動を実践している。ゆえに、当社はお客様企業と一緒の船に乗り、一緒に汗をかいている。このスタンスを崩すつもりはまったくありません。戦略だけ語るわけでも、ITだけつくるわけでもありません。お客様の期待に応え、満足いただければ私たちの次の仕事につながりますし、そうでなければ仕事がなくなる、それだけです」。まさに顧客の期待に応え、成果を積み上げているわけだ。
今後の成長のためにカギとなるのが人材だ。同社では新卒社員を定期的に採用しているほか、中途社員も多様な業種業態から優秀な人材が集まっている。平均年齢も若く、若手社員が裁量権を与えられ仕事をすることができるのも大きな特徴だ。
湯浅氏は「引き続き、リヴァンプする成功事例を徹底的につくり込むとともに、これらを体系化し、日本企業を元気に変えていきたい」と力を込める。その言葉どおり、日本企業の頼りになるパートナーとして、リヴァンプは注目に値する企業である。