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グローバル経営支援セミナー
ミャンマー編

  • 制作:東洋経済企画広告制作チーム
駐日ミャンマー連邦共和国大使館
特命全権大使
キン・マウン・ティン 閣下
三菱東京UFJ銀行
副頭取 国際部門長
守村 卓 氏
アジアのラストフロンティアとして世界から注目を集めているミャンマーへの投資を考える「グローバル経営支援セミナー ミャンマー編」が8月、大阪、名古屋、東京の3会場で開かれた。在日ミャンマー大使館より「日・ミャンマー外交関係樹立60周年記念事業」として認定を得ている本セミナーは、3会場とも満員となる盛況ぶり。
東京会場(28日)では、最初に三菱東京UFJ銀行の守村卓・副頭取国際部門長が「市場、製造拠点として、ミャンマーへの関心は高い。最新の情報を経営判断に役立てていただきたい」とあいさつ。駐日ミャンマー連邦共和国大使館特命全権大使のキン・マウン・ティン閣下も出席して「ミャンマー政府は、規制緩和・自由化の促進、新経済特区法制定など、魅力的な投資環境づくりに努めている」とアピールして、投資を呼びかけた。
【共催】 三菱東京UFJ銀行、東洋経済新報社
【協賛】 森・濱田松本法律事務所、KPMG/あずさ監査法人
【協賛】 外務省、日本アセアンセンター、日本貿易振興機構、中京銀行(名古屋会場)

【基調講演1】
「ミャンマー経済の現状と展望」

三菱東京UFJ銀行
執行役員 国際業務部長
新家 良一 氏

三菱東京UFJ銀行執行役員国際業務部長の新家良一氏は、成長期待の要因として24歳以下の若者が約6000万人の半数近くを占める人口構成、豊富な天然資源、ASEANとインド、中東を結ぶ位置という地理的優位性の3点を挙げた。また、金融分野では、政府が外国銀行の支店開設許可を検討中で「許可を得て、地元の提携行と緊密に協力しながら、皆様の事業のお手伝いをしたい」と述べた。

【基調講演2】
「Investing in Myanmar: Policies and Future
Course for Sustainable Investment」

ミャンマー連邦共和国国家計画経済開発省
投資企業管理局(DICA)副局長
チョー・チョー・ウィン 氏

ミャンマー投資企業管理局副局長のチョー・チョー・ウィン氏は、地方開発や貧困削減、産業発展に向けた海外からの投資促進策、投資関連法制の整備状況を説明。2012年以降、外国投資法や経済特区制度改善など「政府を挙げた取り組み」を強調した。今年7月末までの外国からの投資は、732件470億米ドルに上るが、日本は国別で第10位、総額の0.7%と、その潜在力に比し、まだ少ない。氏は「日本企業の投資は決断に時間がかかるが、ミャンマーへの貢献度が高い。すばらしい技術の共有は二国間関係をさらに強化すると信じています」と呼びかけた。

【講演1】
「ミャンマー工業化への挑戦
~国際環境、政策、アクター~」

アジア経済研究所
研究企画部部長
工藤 年博 氏

軍政から民政に移管して3年半。テインセイン政権は民主化運動リーダー、アウン・サン・スー・チー氏と対話することで西側諸国との関係を改善し、制裁措置の緩和・解除にこぎ着けてきた。アジア経済研究所研究企画部部長の工藤年博氏は「国際社会に復帰して、高成長を目指す環境が整った」と評価する。

成長には工業開発が重要で、その実現に向けた第一の柱が、東アジア生産物流ネットワークへの参入だ。もともと国際競争力のある縫製業は、制裁解除で回復が期待できる。さらに、電気・電子機器などほかの製造業の開発に向けては外資誘致が必要になる。第二に、民間企業とほぼ同義である中小企業振興も重要だ。ミャンマーは社会主義時代に国営企業中心の工業化を志向してきたが、近年は国営企業の民営化が進み、政府は、中小企業振興センター設置による支援に動いている。最後に工藤氏は、15年の選挙に向けた政治リスクについて「さまざまなシナリオが考えられるが、国内安定は国民生活向上が前提で、改革開放路線に大きな変化があるとは考えにくい」と断じた。

【講演2】
「ここまで変わった
~ミャンマーにおける外資規制の最新状況~」

森・濱田松本法律事務所 弁護士
パートナー・ヤンゴンオフィス代表
武川 丈士 氏

ミャンマー投資の障害には、貿易業や小売業などで会社法上の営業許可を出さないという明文化されていないルールと、土地の所有・長期賃貸の禁止がある。外国投資法の許可を得れば、土地の長期賃貸が可能になるため、インセンティブ付与条件を規定するはずの同法が、外資規制をクリアする手段を提供する制度となっている。森・濱田松本法律事務所ヤンゴンオフィス代表の武川丈士氏は「制約が少ないのはサービス業。製造業は外国投資法の許可が得れば進出可能だが、インフラの制約がある。そのほかの業種は、大なり小なり規制される」と概観する。

今年8月には、日本・ミャンマー間の投資協定が発効。内国民待遇により外資規制は原則禁止になる。例外規定はあるものの「他の東南アジア諸国との協定に比べても数が少なく、画期的内容」という。また、同月に外国投資法適用条件の告示変更も公表され、改正経済特区法細則も近く公表される見込みだ。武川氏は「変化が速いので、最新状況を理解してプランニングすることが、進出の可否、ビジネスモデルに直結する」と語った。

【講演3】
「ミャンマーの税制概要と
経済特区法による優遇措置」

KPMG Advisory (Myanmar) Ltd.
Managing Director
藤井 康秀 氏

KPMGの藤井康秀氏は「ミャンマーは、まだ制度を整備している段階」と指摘する。ただ、経済特区で会社設立・投資の認可、外国人の労働許可など、他省庁に分散した手続きを一括で行うワンストップサービスセンターが設けられ、投資計画承認までの期間を30日以内とするなど、外資誘致に向けた政府の積極的な姿勢は一貫している。

ミャンマー税制は、法人税、個人所得税、商業税(消費税)がある。特区では、輸出型製造業を中心にしたフリーゾーン(非関税)だけでなく、物品保管出荷業務や保険などの事業ができるプロモーションゾーンも設定され、域内の法人税は操業開始から5~7年間免税、その後5年間半減の特典がある。しかし、まだ日本との租税条約がないため、キャピタルゲインに対する課税が、租税条約を結ぶシンガポールからの投資より高税率になり、個人所得税での二重課税発生などの課題もある。企業会計の考えが十分に浸透していないため「会計実務では、現地スタッフを一からトレーニングする必要がある」と指摘した。

【講演4】
「ティラワ経済特別区Class A
開発プロジェクト概要」

住友商事株式会社 海外工業団地部参事
Myanmar Japan Thilawa Development ltd. President & CEO
梁井 崇史 氏

ヤンゴン市内から車で約1時間に位置するティラワの経済特別区は、第Ⅰ期工事が来年5~6月ごろに完了予定となっている。すでに15社(8月末現在)が予約契約を済ませ、順調だ。同区開発を担当するミャンマー・ジャパン・ティラワ・デベロップメント社長の梁井崇史氏は「インフラ、法制度は未整備だが、政府の『この国を良くしたい』という思いを感じる」とミャンマーの魅力を語る。

課題のインフラ整備は、相次いで訪問した大統領、副大統領からのトップダウン指示、日本政府の円借款で進む。進出企業は、安い人件費を求める輸出企業と、内需向け企業が半数ずつ。国内市場は、中印に比べれば大きくないが、プレーヤーがいなので、今、進出すればマーケットリーダーの地位を獲得できるという。今後も、予想される紆余曲折に対処するため、同社は両国政府系機関からの出資を得て、問題があれば政府同士でも対話できる環境を用意している。梁井氏は「日本企業と他国企業の割合も約半々。他国から見てもティラワは有力な選択肢になっている」と自負をのぞかせた。