顧客のゴールを見据え
革新的な商品と多彩な戦略を提供
ニューバーガー・バーマン株式会社
目先の数字にとらわれず
長期的な運用サービスを目指す
ニューバーガー・バーマンは1939年に設立された米国ニューヨークを本拠とする独立系の資産運用会社である。
「プライベート経営であることで、本当の意味で、お客様の利益に向き合うことができます」と、同社日本法人の大平社長は話す。
親会社や一般株主の要求に応じて、四半期ごとに預かり資産やパフォーマンスの数字の目標を掲げるような慣習は同社にはない。
同社が目指すのは、あくまでも顧客の運用の「ゴール」に向かって、顧客のパートナーになることだ。ベンチマークをアウトパフォームすることだけを競うのではなく、まず顧客のゴールに向き合い、それを実現するためにどのようなソリューションを提供できるかを重視しているのだ。このために、文字どおり、目先の数字にとらわれない長期的な運用サービスを目指している。
同社ではシニアの役職員が自社の株主になっている。また、社員の勤続年数が長いのも特長であり、米国の年金専門誌「ペンション&インベストメント」が13年に行った調査「働きやすい運用会社」で、ニューバーガー・バーマンは第3位に選ばれている。これもまた、同社の社風や文化を示していると言えるだろう。
市場のニーズに応える
革新的な商品を開発
「市場のニーズに応える商品開発にも自信を持っています」と大平社長は胸を張る。
その一つがインカム提案だ。世界的な金融緩和の流れの中で、多くの投資家が低金利に苦しんでいる。さらに、今後の金利上昇にどう対応していくかは、日本の年金基金のみならず、世界の機関投資家共通の悩みでもある。
ニューバーガー・バーマンでは、このような課題の解決につながる商品も業界に先駆けて提供している。たとえば、「ヘルスケア・インカム」と呼ばれる商品は、医薬品の特許権などのロイヤルティから得られるインカムに着目したユニークな商品である。運用可能規模は数百億円~1000億円程度と決して大きくはないが、これまでのパフォーマンスやほかの資産との相関性が低いことなどを採用した多くの年金基金が評価しているという。
「欧米の年金基金などに比べて、国内の年金基金が保守的ということはなく、投資機会のリスクとリターンやポートフォリオへの組み入れ意義がクリアであれば、むしろ積極的に新しい商品を活用されている印象があります。ヘッジファンドの活用に関しては、世界の機関投資家の中でも最も経験が長いのではないでしょうか」と大平社長は説明する。
ただし、課題もなかったとは言えない。たとえば、日本の年金基金の場合、ファンド・オブ・ファンズの形でヘッジファンドに投資することが多く、このため、透明性という点では難があった。
また、流動性が低く解約しにくかったり、成功報酬などにより手数料が高かったりといった問題もあった。
ニューバーガー・バーマンでは、これらの声に応えるために、「リキッド・オルタナティブ」という商品を開発し提供を開始した。リキッド・オルタナティブは、原則として成功報酬を徴収せず、透明性や日次の流動性をヘッジファンド投資で可能にし、ポートフォリオの分散化、安定化が期待できるとして、米国では401kや公募投信にも採り入れられている次世代型のヘッジファンド投資である。このような戦略にようやくさまざまな投資家がアクセスできるようになったことはうれしい。
「リキッド・オルタナティブ」はニューバーガー・ バーマンにより商標登録出願中です。