M&Aは線でとらえ完璧主義を捨てよ フロンティア・マネジメント株式会社

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FAと戦略コンサルティング
二つの視点が成功へのカギ

前述したような失敗に陥らないためにはどのような取り組みが求められるのか。

光澤氏は、「ディールありき、では失敗になりがちです。何のためにM&Aを行うのかという点から議論すべきです」と言う。

ただし、それを実現するには、ファイナンシャル・アドバイザリー(以下、FA)はもとより、戦略コンサルティングの機能も必要になる。

「さらに、調査や条件交渉などでは、弁護士や公認会計士の力を借りることになります。中堅・中小企業が、多数の外部専門家と個別に契約することは負担が大きくなりますが、当社は弁護士や公認会計士を含む各領域の専門家を自社で保有しているため、これらに、文字どおりワンストップで応えることができます」(光澤氏)。

同社の大きな特色として、FAチームとコンサルティングチームが一体となって、顧客に最適なアドバイスを行う点が挙げられる。単にM&A案件の情報を提供するだけではなく、M&A戦略の議論から、ロングリストの作成、アクションプランの策定といった戦略コンサルティングの領域まで、「点」としてのディールではなくその前後を一貫して「線」あるいはさらに「面」でサービスを提供するのだ。

一般的な経営コンサルティングの場合、シナリオは描くものの実際の交渉は顧客自身で行うようになっていることも多い。このため、いわゆる“交渉疲れ"で不利な条件で妥協してしまう企業もある。

「当社は、交渉についてもきめ細かくサポートします。当社が携わることで、数十億円も価格が変わった例もあります」(光澤氏)というから頼もしい。

事前にウォッチリストを
作成しておくことも有効

小林氏は「日本企業の場合、案件が出てから動き出すと時間がかかりがちです。事前に社内を説得するために、調査や分析を進めてロングリストを作成し、対象となる候補企業のウォッチリストをつくってモニタリングし続けるとよいでしょう」とアドバイスする。

同社はその作成や運用も支援してくれるが、さらに海外30社、国内20社のパートナーとのネットワークを通じて、最新の案件情報を提供してくれる。カバー範囲は、北米や欧州、アジアはもとより、インド、南アフリカ、イスラエル、中東などにも及ぶというから念が入っている。

光澤氏は「お客様から、こんな案件は初めて紹介された、と言われることもよくあります。それぞれに異なる強みを持ったパートナーと複数提携しているため、目的がきちんと定まれば、それに合わせた最適な案件を見つける体制はあります。また、海外企業の買収だけでなく、既存事業の売却などにも豊富な経験がありますし、買収した企業の経営ができる人材の育成などもお手伝いできます」と話す。