日本初、エグゼクティブに特化した
MBAプログラム、『EMBA』はじまる。

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慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)が、中核ミドル層に特化した新しいMBAプログラム「Executive MBA(EMBA)」を2015年4月に開設すると発表した。欧米はもとより、アジアでも多くの有力校がEMBAプログラムを開設しているが、日本で本格的なEMBAプログラムを提供するビジネススクールはこれまでなかった。「日本初のEMBAプログラム」として、大いに期待が高まっている。

MBAの学位を取得できる
わが国初の本格的なEMBAプログラム

日本初のビジネススクールとして50年以上の歴史を誇るKBSのMBAプログラムは、平日昼間に授業を行う2年間の全日制(フルタイムMBAプログラム)の形態だ。一方、来年度から開講するEMBAプログラムは、多忙な中核ミドルが、現在の職責を全うしながら、土曜日と短期合宿型の授業で集中的に学ぶことができるプログラムである。

2つのプログラムの大きな違いの1つは、対象年代とそれに合わせたプログラムの内容である。フルタイムMBAプログラムの場合、対象は幅広く、比較的若い世代の学生が多い。それに対してEMBAプログラムでは、一定の職務経験が求められるため、高めの年齢層が想定されている。フルタイムMBAプログラムで学んでいる学生の平均年齢はだいたい30歳だが、EMBAプログラムでは職務経験15年相当以上を必要とするため、30代後半から40代の中核ミドルが中心になる。そのため、例えば、同じマーケティングの授業でも、フルタイムMBAプログラムとEMBAプログラムでは討議の進め方や伝えたいイシュー(論点)を変え、対象に応じた実践的なカリキュラムが提供される。

これまで日本には、一部のセミナーを除けば、中核ミドル層に特化したプログラムはなかった。その点で、経営学修士(MBA)の学位を取得できる本格的なEMBAプログラムが登場したことは意義深い。わが国初のEMBAプログラムとして期待がかかる。

欧米では企業の次世代経営を期待される優れた人材が選抜され、EMBAプログラムに派遣される例が多い。企業経営者が自ら学ぶ姿もよく見かけられる。欧米の多くの有力ビジネススクールにEMBAプログラムが設置され、最近では中国や韓国などアジア各国でもその動きが加速している

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