米NBC･東京五輪放送は収益性が過去最高の可能性 無観客開催でも見込む金メダル級の広告収入
米ミズーリ州セントルイスで先月行われた東京五輪の体操女子米国代表選考会で､前回の2016年リオデジャネイロ五輪金メダリストのシモーネ･バイルズ選手が床運動で着地を決めると､競技場の観客は総立ちになって拍手喝采した。
だが､23日に開会式が行われる東京五輪は無観客開催で､バイルズ選手の演技に競技場でこうした大きな喝采が送られることは期待できず､全米向け放映権を持つコムキャスト傘下NBCユニバーサルは五輪の放送にドラマを吹き込む別の方法を見つける必要がありそうだ。
無観客でも東京五輪の広告収入は記録更新を狙う
新型コロナウイルスのパンデミック（世界的大流行）で､NBCユニバーサルはさらなる困難に直面している。東京五輪に参加する代表選手について､新型コロナ検査で陽性の発表が続いており､最も注目を集める選手が代表から外れることも想定されるからだ。
実際､女子テニスの米国代表メンバーに選出されたコリ･ガウフ選手は検査で陽性となり､大会を欠場することとなった。
こうした波乱にもかかわらず､NBCユニバーサルは東京五輪の広告収入が12億5000万ドル（約1370億円）余りに上るとして､同社記録の更新を見込んでいる。事情に詳しい関係者によれば､プライムタイムの30秒のCM料はリオ五輪から15％増の約120万ドルという。
NBCユニバーサルのジェフ･シェル最高経営責任者（CEO）は先月の投資家会合で東京五輪について､同社の歴史で最も収益性の高い五輪になる可能性があるとの見通しを示した。
NBC､東京五輪の放送は収益性が過去最高の可能性－コロナ禍でも
同社の経営幹部は､新型コロナ禍で孤独を経験し米国は高揚感ある体験の共有の機会を渇望しているとし､人々がテレビなどを通じて観戦すると期待していることを明らかにした。
原題：NBC Chases Olympic Gold Amid Lack of Fans, Missing Athletes（抜粋）
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著者：Gerry Smith
