グローバル教育の最前線

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海外留学では、現地でしかできない
体験や研究をしてほしい

―― 若いときに海外体験をすることは人生において価値があるとも言われます。大学でも留学制度に力を入れるところが増えています。藤沢さんが考える留学制度のポイントは。

藤沢 私は、学生の海外留学で大切なのは、現地で本物の体験をすることだと思っています。短期の語学研修がよくないというわけではありませんが、クラスは日本人ばかりで授業は観光旅行のついでのようなものでは、得られるものも少ないでしょう。その点で、現地でのインターンシップや研究など、体験型のプログラムなどは効果があると考えられます。事前に、現地で何をするのか自分自身で計画した上で、帰国後はそこでの成果を棚卸しできるような仕組みが不可欠です。

私は昨年11月から、文部科学省の参与として、「トビタテ! 留学JAPAN」という、官民協働海外留学支援制度づくりのお手伝いをしています。多くの民間企業から資金の支援を得ているほか、留学生の審査、プログラムの企画、インターンシップの受け入れ、留学前後の研修など、さまざまな面で民間に協力してもらうという前例のないプロジェクトです。この8月には第1期生が海外に飛び立ちます。今後も、多くの学生に海外体験の機会を提供できると期待しています。

―― グローバル人材育成のために、さらに、大学にどのような期待をしていますか。

藤沢 交換留学など海外の学生との交流だけでなく、教員の交流も進めてほしいですね。前述したように、海外のトップクラスの教員を招いて講義してもらったり、逆に、日本の教員が海外に出向いて講義をしたりといった機会がもっと増えていいと思います。

「MOOCs(ムークス:Massive Open Online Courses)」と呼ばれる大学の授業をネットで無料公開する動きも加速しています。日本に留学したいと考える海外の学生を増やすためにも、積極的に情報発信をするとともに、世界の中での日本の大学として存在感を発揮してほしいと願っています。