「請求書業務」が10月の郵便法改正で混乱する訳 「紙の請求書を手作業」で送る時代が終焉を迎える

「請求書の到着遅れ」が決算の足かせに
郵便法の改正で何が変わるのか。21年4月の日本郵便の発表によれば、今まで翌日配達だった地域が2営業日後の配達となり、例えば木曜に出した郵便物の配達は月曜日になるというのだ。この変更で「請求書業務が大きく混乱するおそれがある」と警告するのは、ラクスの海宝雄大氏だ。
「現在、月次決算の早期化に取り組む企業が増えています。社会の変化に合わせてタイムリーに経営判断をしたいため、一日でも早く請求書が欲しいのです。10月以降、到着の遅れが懸念されるとなれば、『メールやFAXでも送ってほしい』という要請が増えるでしょう」
ただでさえ、請求書の送付業務には手間がかかる。現時点でも、自社リソースで賄いきれずにアウトソーシングやアルバイトを雇う企業が目立つが、ここに「メール・FAX送信」が追加されれば、リソース不足はいっそう深刻だ。体制の見直しや、さらなるコスト増に迫られる。
まさかの「社内からの反発」も?
一方で、請求書業務を改革すると、多かれ少なかれ発行先での手順にも変化が生じる。取引先を巻き込むのは想像以上にハードルが高く、新体制を理解してもらえるか懸念する上司や上層部の意見も相まって、結局改革が頓挫するケースもあるようだ。
そこで注目したいのが、これまで2000社以上が導入した「楽楽明細」だ。「印刷・封入・発送」といった一連の手作業をゼロにする電子請求書発行システムで、毎月1200件の請求書を送付していた企業は、1カ月当たり74時間の作業時間と25万9000円のコスト削減を実現したという。
これら導入企業は、社内外に立ちはだかる経理改革のハードルをどう乗り越えたのか。「請求書危機」が必至であるもう1つの理由とともに無料PDFにまとめている。